Lacryma Christi del Vesuvio D.O.C. Bianco 2011年欧州旅行記-39

秘儀荘からポンペイ遺跡を出たのは、13時過ぎ。
お腹も空いたことだし、ヴィッラ・デイ・ミステリ駅近くのレストランはいまいちだしどうしたものだろうと相談していたら、遺跡の出口付近に1軒のトラットリアがあった。中から若い兄ちゃんが現れて「うちはポンペイで一番うまいよ」と言うので入ってみた。

もういかにも、というイタリアのオヤジがオーダーを取りに来る。イタリアのオヤジってなぜ"ロベルト・ベニーニ"、"ラッセル・クロウ"、"ジャック・ニコルソン"ばかりなんだろうか。この店のオヤジはジャック・ニコルソン系。「とにかくうちの店は最高さー」という勢いだ。


キリリと冷えた白ワイン。南イタリアに来て、やっと出会えた Lacryma Christi del Vesuvio D.O.C. Bianco (ラ・クリマ・クリスティ・デル・ヴェスーヴィオ・ビアンコ)。キリストの涙というロマンチックなネーミングを持つ白ワインは、さわやかで喉ごしの良い甘露だった。19世紀にナポリを訪れたゲーテはラ・クリマ・クリスティを飲んで、「なぜキリストはドイツで涙を流してくれなかったのだろう」と嘆いたとか。

トラットリアは、ほぼオープンスペース。
鄙びた観光地の食堂という雰囲気を醸し出している。

アンティパスト・ディ・マーレ。

店からのサービスということで、海草に衣をつけて揚げたもの。

パスタはボンゴレ。あいにくヴィアンコはなくてトマトの味付けだったけれど、確かに「うちの店はポンペイで一番うまいよ」と言うだけあって、なかなかの味だった。ああ、うまいパスタを食べたなあという気分になった。

オヤジに見送られてトラットリアを出ると、日章旗が翻っていた。ちょっと高いランチだったけれど、気分は満足。そのままヴィッラ・デイ・ミステリ駅まで道なりに歩く。


次のソレント行きの電車が来るまで約30分。
熱い日差しを避け、足を投げ出して日陰に座り込んで、とりとめもないおしゃべりに興じた。

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