上野公園で桜を眺めた。

晴れ。23.6℃/9.4℃/33%

これは昨日の話になるのだけれど、「イミテーション・ゲーム」を見に行く前に、上野公園で桜を眺めていた。上野駅公園口からすでにとんでもない人の出で、老若男女というよりは外国人が多すぎ、という感じだった。

桜はほぼ満開という感じだった。
桜の下では昼間から酔っぱらい達がご機嫌で、ひどく賑やかだった。

いつもならキヤノンの一眼レフに白レンズを噛まして、空気まで映り込む美麗な桜を撮りに行くのだけれど、今年はとにかく無気力で。ズームも出来ないiPhoneのカメラで撮ってきた。怖いことに、たかがiPhoneでも多くを望まなければまあまあのクオリティが出る。カメラ専業メーカーもだんだん辛くなってゆくのかな。






迷子のアナウンスがあって、皆が耳を澄ましていると「旦那さんが公園前派出所で待っています」と続くとあちこちから笑いが漏れる。子供じゃないのかよ(w

ゆらゆら散歩の後、少し歩いて一風堂に入る。
実は一風堂に入るのは初めて。
食わず嫌いしていたわけではないのだが、なんとなくこれまで縁がなかったのだ。

店に入って、一口スープを啜ってみて分かったことがある。
臭くないんだわ。
本格長浜ラーメンとか謳っている店は、しばしばとてつもなく空気が生臭い時がある。
お酒飲んだあとでの入店じゃ、思わずリバースしそうになるほど。
それに比べると一風堂は上品だ。外国人にウケるわけだね。


イミテーション・ゲームを見てきた。

晴れ→雨。21.1℃/9.0℃/55%

上野で花見をした後、カフェにこもってMacBook Airにひたすら打ち込みをしていた。
そして夕方から始まる回の「イミテーション・ゲーム」を見に行った。

心臓を掴み出されるような、映画を見て、こんなに胸が痛くなったのは初めてだった。
英国の天才数学者アラン・チューリングの数奇な運命を描いた作品。
メインはナチスドイツが運用していた暗号「エニグマ」の解読のため、現在のコンピュータの原型となる暗号解読器を制作するあたりか。確かにすごい話だった。

その前に……チューリングが同性愛で逮捕されるんだけど、最初のシーンからね、チューリングがアスペルガー症候群の人だということが暗示されるのだ。いや、数学者だから変人、天才だから変人、というワケじゃなくて、あれは典型的なアスペルガーなんだ。「アスペルガーのうえに、ゲイだったのか」……もう見ていて痛々しくて仕方なかった。

もしも、彼がただのアスペルガーだったら、世間と折り合いが悪くても、変人学者として長生きできたかもしれない。もしも、彼がただの同性愛者だったら、新聞沙汰になることもなかったかもしれないし、英国が住みづらければ国外に出るなりやり方はあっただろう。だけど、彼はそういう器用さはなかったんだろうな。そして同性愛で有罪判決になった彼は、1年間の女性ホルモンの投与を受けたのち、自殺する。性ホルモンが乱れると、人間は鬱病になりやすくなり、自殺者も出る。性転換者にメンヘラーが多いのはそういうわけで。当時の処置は本当に酷い話なのだ。

それにしても、なんというか……パブリックスクール時代の同級生に抱いた淡い恋心と、一度婚約したあと破断した女性数学者を除いて、チューリングは愛を知らない生涯だったのだろうか?それは彼が不器用だったせいなのか、それとも同性愛者だったからなのか??なんだか、チューリングが哀れで仕方がなかった。
※追記あり

そういえば、以前、アナザー・カントリー、モーリスが流行った時期があったっけ。あれも共産主義に傾倒しちゃってスパイになってしまう人の話であったけれど、登場人物がみんな美形だったんだ。結末は結構悲劇なんだけど、それなりに同性愛をエンジョイした時期もあったんだろうと妄想する。だけど……チューリングはあまり美形でもなかったんだよね。しかもアスペでコミュニケーションも色々大変そう……そんなことを思ったらますます切なかった。


こんな美形だったらね……。


追記:
一晩経って、チューリングが暗号解読器に「クリストファー」と名づけていることを思い出した。映画を見ていない人にはなんのこっちゃだが、クリストファーとはパブリックスクール時代、チューリングの唯一の理解者で親友で、そしてチューリングが恋した同級生の名前。だが、生身のクリストファーは結核で早逝してしまう。

チューリングは機械は意識を持つかどうかについて、刑事と議論をする。その中でチューリングは、意識を持つかどうかは機械になってみないとわからないという。

チューリングは、いずれクリストファーが意識を持つようになると考えていたんだろうか。いまは機械が意識を持っているかどうかなんてわからないけれど、いずれ彼が生涯で唯一愛した少年を再生して、なにか語り合う日のことを夢見ていたんだろうか? チューリングは愛された記憶は少ないかもしれないけれど、深く愛した記憶を生涯抱えて生きていたんだね、

山中ヒコ「500年の営み」を思い出したよ。

流山「丁字屋」へランチに行く。

髪を切ったあと、ランチを食べにひさしぶりに遠出した。
いま、クルマを運転できるのは僕だけで、エンジンを掛ける頻度が下がってる。あまりほったらかしていると、バッテリーが上がってしまう。

で、今までに行ったことのない町へ行くことにした。
以前彼氏とアド街ック天国を見ていた時、流山が紹介されていた。
千葉県民の間では長らくマイナーな存在であった流山が、つくばエキスプレスの開業以来だいぶ栄えているらしい。しかももともと歴史も相当あるのだとか。

戊辰戦争のあと、新撰組局長の近藤勇が新政府に捕まったのが流山。ここには近藤勇の陣屋跡がある。最初はどこを訪ねれば良いのか分からなかったが、それらの史跡は流山街道から江戸川よりに奥まった通りに集中している。その通りには適当なコインパーキングが見つからなくて苦労した。流山街道まで戻って駐車場を見つけた。

で、駐車場を探すのに手間取り、それらの史跡を見ることもなく、TVで紹介されていたレストランでご飯を食べた。なにをやっているんだか。。。

一番ベーシックなランチコース。
パン2種類、サラダ、パスタかピッツアをチョイス、食後のコーヒーまたは紅茶。
流山はみりんの町。ピッツァに掛けたり、ボロネーゼの隠し味に使われていたり。






会計の際に、パンに合わせて出された「アンチョビバター」を買った。
食パンやバゲットに付けて食べると美味だった。

大正時代に建てられた足袋屋をイタリアンレストランに改装した「丁字屋」。
人気店で、ランチの時間を外した13:30頃から食事にありつくまで40分近く待った。
出来るならば予約した方がいい。
スタッフのホスピタリティはなかなか良かった。

今日は骨付鳥行こっ

晴れ。15.8℃/4.9℃/21%
夜になるとまだまだ冷え込む日々。

ランチに入った店で初めて知ったこと。
丸亀市では「今日は骨付鳥行こっ」とデートに誘うらしい。

そんなビジュアルに誘われて食べてみた骨付き鳥。
ギャートルズのみんなが食べていたようなマンガチックな肉だった。

注文する時に「親と雛」のどちらかを選ぶ。
僕は雛で、同僚は親。

結果としては親はゴムみたいに固く、雛は普通にやわらかかった。
ビギナーは雛の方が良いんじゃないかと。

丸亀といえばうどんのイメージだったけれど、それだけじゃないんだね。

玉子の天ぷら

晴れ。15.1℃/3.9℃/17%

桜の開花宣言があって、ようやく春かなあと感じていた矢先、寒気が戻ってきた。
真冬の寒さとは違うのだけど、日が暮れると染み入ってくる冷たさだった。

で、今日は午後一の会議が流会になったので、行列の出来るランチを食べに行った。
20人くらい待ったかな?
それでも50人近く並んでいる本店に比べればかわいいもんだ。

穴子の天ぷら飯。
穴子がサクサクで美味かったけれど、舞茸天の味わい深さが印象的だった。



そして玉子の天ぷら……。
アイスクリームの天ぷらとか変わり種もそれなりに経験してきたつもりだけれど、玉子の天ぷらは初体験。もちろん玉子の殻は取り除かれている。ご飯の上に移して、火が通ってぷるぷるしている白身をそっと壊すと黄味がどろっと……。そしてみんなが大好きな玉子かけご飯になる。天ぷらの脂が加わっているので味は濃厚。白身は固まっていてドロドロした主張がないのもうれしい。


天ぷらは2度に分けて供されるので、写真に写っているのは前半のみ。

勘定を済ませて店を出ると、連れが文句を言う。
「普通に美味い。演出も上手い。だけど行列して食うほどの美味さじゃない」と。

そうかなー、僕は十分楽しめたけど。
食事は誰と食べたかも大事。例えば僕は彼氏と食べるご飯は、味はさておき彼氏とどれだけ楽しく時間を過ごせたかの方にウエイトがある。混み合っている店なのでおしゃべりも遠慮する雰囲気だった分、点数がきつかったのかもね。

普段文句ばかり言ってるなんちゃってグルメに付き合わされていて、正直うんざりしている。その人の前では文句を言わない人が今日に限って「キミだから言うけれど……」なんて言いだしたから、やや驚いた。

食事しながら「これはまずい」「あまり美味くない」「××の方がずっと美味い」と平気で言う人を僕は下品な人物だと思ってる。それが男性ならば「昨日抱いたオンナは具合が良くってよぉ」という自慢に付き合わされるくらいの下品さ。たかだか1000円程度のランチでえらそうなこと言うなって。それだけ味にうるさいのなら、ランチで諭吉飛ばすくらいのことをやって欲しい。

BL漫画レビュー:あずみ京平『うちにおいでよ』

昔「部屋においでよ」っていう同名タイトル作品があったことを思い出した。
前世紀の終わり頃の話だよ。

疲れ果てるまでセックスをしないと眠れない奈月は、後腐れのない相手を選んでは快楽を貪っていた。
ある日、マンションの前で雨に降られていたワケありそうなイケメンを拾い、とある条件を約束に家に住まわせることになり‐。


つうか、セックス依存症のヤツが「とある条件」もなにもねぇーだろ! ( ゚Д゚)ゴルァ!!

ぶっちゃけて言ってしまうと、マンションの入り口で家出少年を拾いました。
少年は高校生で、巨根の持ち主でした。
セックスの覚えが早く、体力も十分だったので奈月を毎晩満足させていました。

でも巨根にもかかわらず、料理家事全般をこなせる心優しい、頭の良い少年でした。
やがてセックス抜きで少年を好きになってしまう奈月でした。
以上。

お、おう……これが腐女子理想の「弟」像なんだろうか!?
と考え込んでしまう良スペックの康成くんなのであった。

康成と出会う前の奈月は、ビッチの鏡のような性生活。
関係の終わった相手とは、スマホの連絡先を消してしまえば即バイバイ。
遊んでいる時期は、こういうドライな関係って便利だよ。


そんなビッチ(本当は違うのだけど)が、巨根純情くんに懐かれて、セックス依存症の生活から徐々に回復して行くというストーリー。巨根フレーズがリフレインしているけれど、「奥に当たってすげえイイ……っ」という身体の関係から始まるから仕方ない。
それからセックス依存症の人って、別にセックスを楽しんでいるわけじゃないんだよな。むしろセックスがないと苦しくて、そしてどうでもイイヤツとセックスしたあとしばしば自己嫌悪にはまったりするわけで。人肌の心地よさは全力で同意するところだが。


まあかわいらしい話ではあると思うのだけど、やや物足りなくも思う。
以前だったら男性同士で恋愛するということ自体が反社会的で、ハードルの高いものだった。いまは「まあ、別に……」程度にクールダウンして来つつあるわけで、男性同性愛自体はすでにロマンスではないのだよね。

以前の記事でホモマンガとBLマンガの違いを僕なりに記述してみた。そのあと、腐女子が「ロマンがあるのがBL、ロマンがないのがホモマンガ」と言っているという話を聞いて、なるほどなあと感心したのだよ。それはセックスの描写があるとかないとか、田亀センセイ作品のように登場人物が毛むくじゃらマッチョであるかないか、ではなくて、ロマンスの濃度だったのね……って、やっぱりそこら辺は少女マンガへの接し方と変わらないのだね。

そして、さらに「ココチン」というすばらしい単語があることを知った。初遭遇した時は目を疑ったけどな。使い方は「ココチンがシコいわ~」「ココチンが勃っちゃう~!」とかだとか。ココチン=心のチンコで、一部腐女子に装着されているらしい。従来の性欲表現が「濡れる」が「シコっちゃう」に進化した腐女子感覚は、後世、学術的に分析されることになるんだろう。で、「うちにおいでよ」はシコい作品なんだろうか??

1.絵柄
同人誌っぽいな。
それからアニメっぽい絵柄で、こういう感じも主流の一つ。

2.ストーリー
すでに書いたとおり。年下男子に心も体も癒やされたい。
その他たぶん幼馴染みの高校生カップル編もイイ感じ。

3.エロ度
でっかいアレが、限界まで押し広げているようなので、読者は中級クラス以上向けかも。

4.まとめ
よくありがちなテーマを、ライトに調理したらこんな感じかと。
高校生とカーデ(あるいはサマーセーター)は最高の取り合わせ……だと思う。

絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆
エロ度 :★★★☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

冬鰻

晴れ。21.1℃/9.2℃/49%

ついに20℃越えの日が到来して、春っぽくなってきた。
だけど、自分的には結構グダグダで……というか、やっかい事を連れてくる春はキライなんだ、本当は。

お昼ご飯を一人で食べた。
財布に金は入っていたし、人生迷ったら鰻だと思ってた。
で、冬鰻を食べにのれんを潜った。
鰻は夏よりも冬の方が脂がのって美味いんだと人は言う。
普通の鰻重は鰻が2/3だというので、一尾が乗ってる上鰻重を頼む。

だけど、自分の味覚がグダグダになっていてねぇ。
挽きたてのような山椒の鮮烈な青臭さを感じたあとは、鰻の味はさっぱり分からなかった。残念。
味覚がダメになってくると、ちょっと嫌だよね。


週末は彼氏と過ごす。

晴れ。13.0℃/4.9℃/52%

日曜日は彼氏と寝坊する。
いったん6時台に目を覚ましたのに、10時過ぎまでベッドの中でグダグダしていた。交代でどちらかが眠っているので、待っている間、お茶を口にしたり、iPadで調べ物したり、TVを何となく眺めていたり。

仕事疲れが溜まっているのか、彼氏はすやすや眠ってるし。
窓から差し込んでくる春先の空を眺めているだけで、幸せな気分になる。

ブランチの相談をする。
なんかパスタが食べたくて、トラットリア・ターボロ・ディ・フィオーリで彼氏とランチを楽しんだ。僕はフェトチーネでつくったボロネーゼが好き。マルゲリータピザを彼氏とシェアして満足。夏旅行を彼氏と相談していて、ガイドブックの地図を見ながらあれこれしゃべっていると、あっという間に時間が過ぎて行く。


器が中世っぽい感じがして良い感じなんだが、「なんか中国っぽい」という彼氏の指摘も言い得て妙。

 いま気の滅入る悩み事を抱えていて、彼氏と別れて帰宅してから気分がふさいでる。
明日なんて、来なければいいのに…ってね。
あ~あ……。

最近のランチ事情

曇り。13.7℃/7.6℃

同僚が最近鬱気味でかなりヤバイ。。。
鬱になると寝不足で思考力が落ちたり、ストレスで免疫力が落ちるとかいうのだが、朝一番から「口の中口内炎だらけですよ。今日は舌にも出ました、、フフフ。。。」とか言われるとちょっとね。。

鬱の原因を作った人は3月末で異動になるそうで一瞬喜んだものの「鬼が去って悪魔が来るかもよ……」という一言でお通夜モード。(w

最近「鶏まぶし」というランチが気に入ってる。
「鰻の櫃まぶし」インスパイアものだと思うのだけど、ちょっと味濃い目の鶏そぼろに薬味をのせて、鶏ガラスープを掛けてお茶漬けっぽくさらさらと食べる。と言っても肉が多いので午後いっぱいお腹は膨れる、みたいな。


で、一人のランチの時は、地味に崎陽軒のシュウマイ弁当。
崎陽軒のシュウマイってたまに無性に食べたくなりませんか?
これをつまみにワイン飲んでも美味しいのだよ。

BL漫画レビュー:宮本佳野『青色セクスアリス』

とりあえず作者買いしている宮本佳野の新作「青色セクスアリス」。
セクスアリスとは性生活という意味だそうだ。

全寮制の高校で、青春真っ最中の高校2年生・陸。
教師の遠山に憧れているけれど、ゲイだと認める勇気もないー。
そんなある日、一人の寮生が突然、姿を消した!?
不良だけど寮生の信頼厚いリーダーの岡嶋、その同室の優等生・大友と一緒に、事件の謎を追うけれど…!?

閉ざされた男子寮には、男子高校生の恋と秘密が眠っている。

はっきり言おう。
本作、歴代宮本佳野作品のなかでワースト3に入る失敗作。
なんでこんな中途半端な作品を生み出したのか、僕には理解不能だ。

全寮制男子校を舞台にすると、ある種とてもハードルが高くなる代わりに、自由で複雑な設定が出来るのが特長だ。ハードルの高さとは、少女マンガ黎明期に竹宮恵子、萩尾望都らの大傑作が発表されているから、読者の求める水準がそもそも高いから。一方で、全寮制の学校を舞台にするといわゆる「世間の目」から隔絶した世界を作り上げられるので、かなり凝った、むちゃくちゃな設定も可能になる。

全寮制学校が舞台となるBLには、もちろんライトなものからヘヴィなものまで色々とある。ライトな作品だとエロ作品に堕ちることが多いような気がする。だって授業付きのハッテン場みたいなものだから。
他方、ヘヴィ系の作品になると、全寮制学校という舞台を活かしたゴシック小説のような仕上がりとなる。社会的な監禁装置ともいえる全寮制学校の中で、少年たちは様々なものから追い詰められる。古からのしきたり、先輩後輩関係、暴力、肉体関係(含む性暴力)、恋愛関係など張り巡らされた迷路のような環境から脱出しようとする主人公に読者は寄り添う。あるいは自ら作っていた心の壁をぶち破り、新たな人間関係を作って行く。寮はあくまでも仮の宿り。登場人物たちはいずれ何らかの形で卒業して行く。読者はそのカタルシスを楽しむのだ。

宮本佳野は陰影を活かし、モノトーンで美しい絵作りが出来る作家だ。
コメディよりも、シリアス基調の作品の方が断然上手い。
過去には「MOONY~桜花寮トリロジー」「彼の庭に咲く花」を発表している。
なのに……青色セクスアリスの中途半端さはどうしたものだろう。。。。

「閉ざされた男子寮には、男子高校生の恋と秘密が眠っている」だそうだが、実際のところ秘密らしい秘密はない。行方不明になった生徒のエピソードも、クライマックスまで本人が登場しないので秘密もなにもあったものではなく…。




しかも、このセリフの量。
吹き出しで画面が埋まっているマンガなんて滅多に見たことがない。
ちょっと異常?
すべった設定を、登場人物たちはセリフでなんとか繋ごうとしているのか??


やっぱり男子高校生を全寮制の学校に閉じ込める以上、相当凝った設定があることを期待したいのだよ。寮生活は「逃げられない」から、全力で運命や暴力に立ち向かってほしいのだよ。その過程で愛や友情が生まれ、人間関係が積み上がって行く。全寮制BLマンガの醍醐味はそこにあると僕は思っている。

1.絵柄
相変わらず端正な絵柄。

2.ストーリー
「閉ざされた男子寮には、男子高校生の恋と秘密が眠っている」はちょっと無理がある。正直なところ全寮制学校を舞台にする理由が見つからない。

3.エロ度
ビギナー向け。

4.まとめ
切なさ、やりきれない想い、子供の無力さと悔しさ、やさしさ、どうしようもないけれど愛さずにはいられない等々、もともと宮本佳野が得意とするテーマと外れると微妙な作品になる傾向がある気がする。シリアスは読者受けが悪いのかもしれないが、強みをもっと活かして欲しいと思う。

絵柄 :★★★★☆
ストーリー:★☆☆☆☆
エロ度 :★☆☆☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

BL漫画レビュー:市花マツビ『ミルクがでちゃう』

や、本当は「テンカウント3」をもっとまじめに書評しようと思っていたんだ。
だがしかし、「テンカウント3」の隣に平積みされている乳首にバンドエイドを張った男子の「ミルクがでちゃう」の破壊力が凄まじすぎた。突如世間に浮上した、腐海中の腐海ジャンルである雄っぱいミルクBLについて、熱くお知らせしたい。

俺の雄っぱいには秘密がある
幼馴染みのふたりが"ミルク"きっかけで一線を越えてしまう…!

家族にも誰にも言えないその秘密を、俺・悠希はずっとひた隠しにしてきたのに、幼馴染みの斗真に知られてしまった…!興味津々の斗真にせがまれて、しぶしぶ母乳(父乳?)を絞り出してお披露目することに。
調子にのった彼は「どんな味してんの?」といきなりベッドに押し倒し、そのまま俺の乳首に吸い付いてきた!
しかも「めちゃくちゃ美味い!やみつきになりそう…」とうっとり呟いてー…。

乳首の秘密と嘘から始まるエロティック萌えLOVEストーリー。

たっぷり乳首を攻めちゃいます(ハート)
搾乳・乳バン・濡れヌレのオンパレード!!


お、おう……
すげーのが来たな  (゚_゚i)タラー・・・

まあ、どういう話かと言えば、この見開きですべて終了。
のっけからクライマックス、いきなり出オチではある。



なんだこの破壊力、そしてくだらなさ(w

雄っぱいという言葉がいつ頃、誰が生み出したのか僕は知らない。
ただここ2~3年位前から突如ブレイクしたことは知っている。

思い起こしてみれば、この世界は常に発見の連続だった。大昔、風の木の詩が発表された頃に「やおい穴」という謎の穴の概念が生まれた。そのあと、大きな動きはなかったが、最近は立て続けに「雄っぱい」だの「妊夫」だの「Ωバース」だのが提唱された。「雄っぱい」は同人業界で言えば「バラ系」という、ホモ絵の系統から生じたものだったように思う。

ゲイマンガでは、大胸筋が異常に発達した男性を登場させることがよくある。ゲイマンガの文脈だと、発達した大胸筋は見栄えが良く、体力があることの証だ。亀仙人の「おっぱいぱふぱふ」みたいなファンタジーもままあったけれど、それ以上に体力があること=激しいセックスが期待できると言った文脈でのセックスアピールだった。確かに男でもエロイ乳首はエロイ。だがしかし、ゲイマンガの世界では、田亀センセイのSM系作品でもない限り乳首フェチがテーマになるような作品は存在していなかったと思う。

一方、BL同人誌の世界では徐々に「雄っぱい」というジャンルが確立していった。キャプテン・アメリカなどのアメコミ系の世界の他、Free!の橘真琴や山崎宗介、黒子のバスケでは火神大我、マギのシンドバッド、その他トリコなどが「雄っぱいキャラ」として登場する。豊かな胸の谷間を活用するほか、乳首を使って色々と……という具合に。
実際のところBL同人の世界では、乳首を描写する作家としない作家がいる。乳首を描写する作品の方が概してエロ度は高い。というか、乳首を「使える」作家は、そうじゃない作家に比べてよりセックスに対する理解が深いような気がする。乳首を性器と見立てられるかどうかによって、作家のセックスへの執着が測れるような感じもする。

で、雄っぱいの世界が確立して行く中で、さらに異端のジャンルが生じる。それが「雄っぱいミルク」だった。一部の好事家にひっそりと支えられていたそれは、なんでもありのBL界でも「さすがにそれはねーだろ!?」というマニアックさ。Ωバースと合わせ技をかませば、ちっぱいの女(ちんこオプション付き)そのものだから。疑似女性をBLに登場させて良いのかどうかという神学論争に発展しそうだ。
ゲイマンガでは、男らしさが追求されるのだから乳首から母乳が出てくるなんてのは病気以外何物でもない。だからゲイマンガの世界では成立しない。
BLではどうかと言えば、さすがに……BL作家で出産経験があって母乳がダラダラ出たなんて経験した人はあまりいないだろ?読者も将来出産する機会がある人ならばともかく、喪女には縁のない話。その縁のないファンタジーをBLに持ち込んで、これまた病気でもなければ出ることのない男子の乳首から噴乳させるってのは、BLファンタジーの中でもかなり突き抜けているニッチな世界なのだと思う。男性の中に母性を埋め込む仕掛け、なのか??

で、そのニッチなジャンルの作品が、テンカウント3の横に積まれていて度肝を抜かれた金曜日。ついにその日が来てしまったのか。BL書評書いている限り避けては通れない使命感を感じて、レジに向かったのさー。

幼馴染み斗真に母乳を吸われて、その快感に目覚めてしまった悠希。


その後、温泉旅館で激しく絡むふたり。



BLに限らず男性の乳首開発が密かに流行っているという話も聞くので、今後乳首責めのBL本が増えてくるのかもしれない。だが、さらにニッチな雄っぱいミルクがジャンルとして市民権を得るのかどうか、生暖かく見守りたいと思う。

1.絵柄
ガチムチ男の乳首から憤乳ではない。良かった(w

2.ストーリー
雄っぱいミルクに始まり雄っぱいミルクに終わる。
雄っぱいミルクは甘いらしい。
途中で雄っぱいミルクが出なくなって悩む悠希に萌える。

3.エロ度
ニッチなジャンルでエロエロだと思う。
ペニスはこすらにゃ射精はしないが、雄っぱいミルクは乳首をつまむだけでピュッだよ。乳首責めを貫いている姿勢はいっそ清々しい。

4.まとめ
雄っぱいミルクは、要は男性の乳首を性器に見立てるか否かの試金石なのかもしれない。もし男性の乳首が性器なのだとしたら、女性と同じく水着を着る時にゃブラジャーが必要となる。だって性器を曝しちゃ問題だろ?ジャニーズのセミヌードが見れなくなるほか、歪んだフェミニストのメシの種になりそうな危うさも少し。
宝井理人も乳首をこだわって描いているそうだから、BL業界でも男の乳首が再発見され、乳首ブームが来るのかもしれない。それでも雄っぱいミルクは異端なんだろうな。(w

絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
エロ度 :★★★★★
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

BL漫画レビュー:宝井理人『テンカウント3』

たぶん、腐女子たちがいま一番固唾を呑んで見守っているであろう宝井理人『テンカウント3』。
第三巻は、期待を大きく上回るエロティックな展開!

もっと舐めてほしいのに

「俺の体、黒瀬くんの匂いでいっぱいだ」

二人で外出中、黒瀬とのキスを想像して体を反応させてしまった城谷。
なぜこんなふうになってしまうのか自分でも分からないまま、熱い体をなだめてゆく黒瀬の手を止められない。
裏腹な心と体に翻弄される城谷は……?

無愛想なカウンセラーと
潔癖症の社長秘書、
堕ちてゆく二人の恋のセラピー。


ざっくり言って、

黒瀬(ドS)に溶かされる城谷(ドM)
城谷(ドM)に煽られる黒瀬(ドS)

二人は堕ちてゆく。
フェチとSMフレーバーを効かせた官能ボーイズラブ、って感じだろうか。

黒瀬くんの匂いでいっぱいだ……しかも匂いに煽られて勃起してしまう城谷を、あくまで言葉で雁字搦めに堕としてゆく黒瀬。潔癖症のくせに黒瀬には触られたい、恐ろしいけれど浸食されたい、たくさん舐めてほしいと心より先に体の方が堕ちてしまった城谷。しかし黒瀬に嫌われる、軽蔑されているんじゃないかと不安が、逆に発情を止められなくしてしまう。


一方で「好きだ」と先に気持ちを告げた黒瀬。城谷の防御を溶かそうとテクニックを弄しているくせに「もし俺も黒瀬くんのことが好きだって言ったら……どうなるんですか?」という城谷の言葉に黒瀬は煽られる。


「偉いですね、城谷さん」という褒め言葉に発情する城谷と、発情する城谷を見て襲いかかる黒瀬と。なんだろう、ものすごく官能的な場面が続く。確かにボーイズラブではあるのだけれど、潔癖症治療にかこつけた言葉責めに読者も登場人物たちも煽られているのだと思う。なかなか、すごい。


第三巻では黒瀬に腰をがっちりホールドされた中、城谷は全身に走る快感にぞくぞく震えながら「く 黒瀬くん……何で、何で、もっと、もっと舐めてほしいのに」と願う。そして上目遣いの黒瀬を見下ろしながら、口内に射精する。貪欲になる欲望が留められない城谷と、言葉で城谷を雁字搦めにしつつ、生殺しを強いられている黒瀬の欲望。エスカレートしてゆく官能のせめぎ合いが、テンカウント第3巻のテーマなんだと思う。

二人の接触をあらためてトレースしてみた。第一巻はなにもなし。第二巻で医院の待合室で黒瀬が城谷の素手を舐め回し、布越しに射精させられる。デートのあとに上半身を剥かれて乳首を舐め回され、二人で手コキしてぶっかけ。第三巻では濃厚フェラと口内射精+飲精と進行しているわけだ。しかも第三巻の終わりでは、どうやら城谷はアナルプラグを挿入されるらしい。黒瀬より先にプラグに体を開く城谷はどうなる!?

ちなみに、城谷がクリアしなければならない10の課題っていったい何だったのだろうか?読み直してみると、次の9項目+1だった。

1.ドアノブに触る (1巻目でクリア)
2.自分の私物に他人が触る (1巻目でクリア)
3.本屋で本を買う (1巻目でクリア)
4.電車のつり革を持つ (1巻目でクリア)
5.飲食店で食事をする (2巻目でクリア)
6.素手で人と握手をする (1巻目でクリア)
7.他人の私物を消毒せずに持ち歩く (2巻目でクリア)
8.飲み物のまわし飲み (1巻目でクリア?)
9.部屋に他人が入る (3巻目でクリア)
10.

1.絵柄
安定の宝井スタイル。乳首のトーンにこだわっているという宝井理人の姿勢を、全力で支持したいところ。

2.ストーリー
第三巻はなんというか、潔癖症治療よりもエロが先行という印象。デートしたり、病人を看病したりとか、わりと普通のカップルっぽい感じも増えてきた。
読み返すと、この二人は第2巻で「城谷さん、俺に依存してくれますか?」「……はい」とか言ってる。もはや共依存状態になっている二人が堕ちるところまで堕ちてゆくさまを見届けたい。

3.エロ度
今回は口内射精とディープキス未遂、そしてプラグ挿入のためにアナルを弄られたりとかなりイイ感じにエスカレート中。言葉責めが得意な年下カウンセラーに体を開きつつ、無意識にSの攻めを煽っている城谷がすてきだ。

4.まとめ
第1巻はマスク姿、第2巻はセミヌード、第3巻は城谷が口を開き舌で黒瀬の指を舐めているデザイン。第2巻でセミヌードだったので、第3巻目は全裸を期待していたけれど拍子抜けした。代わりに城谷の口からなにかが流れ出している。それは過去のトラウマなのか、黒瀬への想いなのか??展開が見逃せないシリーズ。全力でオススメ。

絵柄 :★★★★★
ストーリー:★★★★★
エロ度 :★★★★☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

フランス旅行のアウトライン完成!

夏旅行の予定がほぼ完成。

まず、パリ単純往復からフライトルートを変更。

成田→ニース
ニース→プロヴァンス地方をレンタカーで彷徨いながらアヴィニョン
アビニョン→リヨン
リヨン→レンヌ→モンサンミッシェル
モンサンミッシェル→パリ
パリ→成田

パリ滞在中にベルサイユ見物。

リヨンからレンヌへの移動に国内線飛行機を使う荒技で、モンサンミッシェル滞在を実現。当初はパリ宿泊で日帰り観光にしようかと思っていたんだけどね。

ホテル選びも結構苦労した。
ニースやパリはホテルが多すぎて選ぶのも大変。
かといって、シャングリ・ラとか、プラザ アテネとかに連泊するのはきつすぎるし。
僕らは庶民ホテルに泊まって、ちまちま旅行を楽しむつもりだよ。

夏のヨーロッパのホテルは、良いところはだいぶ埋まってきてる。
演劇祭が行われるアヴィニョンは、ホテル争奪戦になっとるし。
僕らも問い合わせしてバルコニー付きの部屋を押さえたりと、地味に苦労しました。

あと4ヶ月後か。。。

TOTO ネオレストのCMが可愛すぎてたまらん!

TOTO ネオレストのCMが可愛すぎてたまらん!

「ひどいトイレだ……」 が泣ける。(>_<)

プレゼンで、CMプランナーがどや顔で「ここにばい菌の親子がいます。父親の名前はビッグベン、子供の名前はリトルベン……」と説明して、会議室は爆笑だったんだろうなあと妄想してしまう。


BL漫画レビュー:束原さき『Power Snow Melancholy』(パウダースノーメランコリー)

表紙買いしてみた。
何となく予算がかかっているような匂いがしたから。

大学のミスターコンテストをきっかけに知り合った梁井と成川。
性格も含めて2.5枚目の梁井にとって、正統派イケメンの成川は天敵そのもの。
お目当ての女の子はいつも成川になびいてしまう。

あからさまに成川を避けていた梁井だったが、ナンパ目的で参加したスノーボード合宿で、成川と急接近するアクシデントが発生してしまい…。


〆を「!?」にしなかっただけ褒めてやる。(w

内容的にはこれ以上でもこれ以下でもない。

1980年代後半の日本。
バブルの栄華に酔いしれ、松任谷由実のブリザードに洗脳された民草が、そろって板を担いでゲレンデに向かった時代。あの頃のサンシャイン60のバスプールから、大学生がすし詰めになって長野へ送り込まれていた光景を思い出す。「私をスキーに連れてって」なんて、もろタイアップにしか見えない映画が大ヒットしてたっけ。「オレたちが時代をリードしているんだ」なんて広告代理店が錯覚できていたのが、この時代だった。

「ゲレンデで恋をしよう」なんて電通あたりのクサイキャッチコピーがリフレインしそうな設定が、なにかものすごく色々とデジャビュ感があるなあ。

簡単に言っちまうと話は大きく2部に分かれていて、前半はゲレンデで気持ちと身体が繋がってしまうまで。後半はそもそも二人が出会ったミスターコンテストの話。成川が梁井のことを好きになるまでが、わりと長く描かれている。



絵柄は今風。
途中のエピソードはほとんど捻りなし。
これで良いのだろうか???

梁井はよくありがちな大学生らしい「不安」を吐露している。
そうだよなあ、ノンケがゲイの道に走るなんて不安で仕方ないだろうなあと再確認したのが今回の収穫だったのかも。

1.絵柄
今風だが、記憶に残るコマがない。

2.ストーリー
ミスターコンテストのグランプリと準グランプリをゲレンデに置いてみました、そんだけ。包帯のエピソードが唯一の捻りっちゃ捻りだが、ストーリー的にあまり特筆すべきところはない。

3.エロ度
まあ、ぼちぼち。

4.まとめ
少年マンガが職業ものへ突っ走っていったように、BLもほわんとした恋愛ネタじゃ腐女子・腐男子の期待に応えられない時代が近づいているのかもしれないなあ。

絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★☆☆☆☆
エロ度 :★★☆☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)