青の洞窟 2011年欧州旅行記-26

僕らが陸路バスを使って青の洞窟を目指したのは、観光船上で洞窟入場に長時間待たされる場合、船酔いでかなり大変な思いをすることがあるという情報を掴んでいたからだ。とはいえ、ハイシーズンの青の洞窟見物と言ったらたいそう混雑するに違いない。ボートの乗船待ちで30分~1時間はかかるかもしれないと覚悟しながら、僕たちは船着き場へ続く階段を下りていった。途中、土産物屋の軒先をかすめ、さらに……あれ、ガラガラじゃん。すっかり拍子抜けした。

サングラスをかけた細身の若い船頭に「KOREAN?」と尋ねられ、多少むっとしながら「No!JAPANESE!」と返答しながらボートに乗る。船頭に悪気はなくて、4人で乗ったボートの先客が韓国人のカップル(写真に写っているキャップをかぶった男性)だったからであろう。船頭はその後片言の日本語で僕らに語りかけてきたから、韓国人たちは気分が良くなかったのかもしれない。少し離れた場所に、マリーナグランデから船で移動してきた観光客たちがボートに乗り移っている。結構、怖いだろうな。海に落ちなければいいけれど。


ボートに乗ると、写真右手にある庇のついた船のそばに行く。ここで入場料とボートの利用料を支払う。船頭へのチップは別額だ。

洞窟に入るための順番待ちをする。僕らが下ってきた崖と階段が見えた。写真上のポールのような物が立っているところから下ってきて、崖の途中の土産物屋をかすめ、左下の船着き場まで続いている。


崖の途中に日章旗があって、

頑張れ 日本
頑張れ 東北
心から復興を祈っています
カプリ島 青の洞窟 船頭一同より

と書かれてあった。ありがたいと、ちょっと涙ぐんでしまった。


洞窟へは、船頭が鎖を手繰って一気に突入する。高さ60センチほどの洞窟の入り口なので、乗客はボートにへばりつくように仰向けになる。韓国人カップルは男性が女性を外から抱きかかえるように体勢で座っていたけれど、僕らはさすがにそれは……。男ふたりが横に並んでいたので狭くて、身体を捻って写真を撮るのも大変。

ゴツゴツした岩で顔をおろし金ですり下ろされるような恐怖のあと、ぽっかりと巨大な闇の中に放り出された。ボートの周りは青い光に包まれている。この世の物とは思えない幻想的な光景の中を漂う。


洞窟の中を船頭が歌う「オー・ソレ・ミーオ」が響き渡る。
残念なことにカメラの設定に失敗してしまい、洞窟突入から洞窟最奥部までの部分の写真が全く撮れていなかった。彼氏の写真を見ると、遠くに洞窟入り口のからこぼれる白い光があって、そこから深みのある群青色の蒼い絨毯を広げたような光景が広がっていた。それに比べると、僕の撮れた写真は洞窟の入り口付近で明るすぎる。青の洞窟の実際の光景は、この数倍の美しさがあると僕は断言しておこう。

洞窟出口もボートが混雑していたため、結局僕らは10分近く洞窟の中に滞在していた。

= 追記 =
彼氏が撮影した"青の洞窟"の写真をもらったので、追加します。
洞窟の奥から撮影されたもので、さらに美しさが増しています。

2 件のコメント:

  1. ちゃいこです
    スゴイ!スゴ過ぎる!
    なんで、こういう色になるんですかね、
    もう、こんなん、泣いちゃうね!
    いつか絶対行こうと決めましたよ、
    これは、素晴らしい体験ですよ、
    いや~、ありがとう!

    返信削除
  2. > ちゃいこさん

    美しいでしょ?
    彼氏からもらった写真を見ると、あらためて幻想的な光景だったなあと思います。
    洞窟から出た後、しばらく夢うつつな気分でしたよ。

    これを見ちゃった後でナポリに行っても……死ねないなぁ(苦笑

    いつか行ってみてください。

    返信削除