フィウミチーノ空港まで(1) 2011年欧州旅行記-01

「ローマで逢おう!」

2011年の欧州旅行は、フィウミチーノ空港で彼氏と待ち合わせるところから始まる。成田と欧州の間は、僕一人の単独行だ。南回りで欧州を目指すのは、直行便を使うより5割近くよけいに移動時間がかかる。とはいえ、今時サーチャージ込みで10万数千円で欧州へ飛ぶ航空会社はなかなかない。各種人気ランキングで1位をかっさらっているエミレーツ航空には興味があった。それにさ……なんか砂漠の国を目指して飛んで行くのもおもしろそうじゃないか。だってドバイだぜっ。なかなか行ける場所じゃない。

7月14日19:30。
成田スカイアクセス特急は予定通り、空港第2ビル駅に滑り込んだ。
改札を抜け、地下の薬局でトラベルミンの小さいパッケージを買い求めた。カプリ島での船酔いへの備えだ。出発ロビーに上がり、クロネコさんからスーツケースを引き取って、チェックインする。カウンターでは「本日は満席なのですが……」ともったいつけられた後、それでもローマまでの全行程で、通路側のシートをアサインされた。長距離飛行なので助かった。


離陸は22:00。
成田第2旅客ターミナルから出国する航空機も数えるほどしかなく、人影の少ないターミナルをうろうろする。両替を済まし、パスポートコントロールを抜け、搭乗までのあいだ時間をつぶす。


搭乗は予定通り始まったが、いっこうに飛び立つ気配がない。
成田空港でぐずぐずと20分近くも居座っている。
乗り継ぎに十分すぎる時間が取ってあるので、乗り遅れはあり得ないとしても、これからどうなることだろう。そんな不安を抱えながらも、滑走路で加速を始める前に、僕は一眠りしてしまった。

エミレーツ航空の機材はうわさに違わず新しく、エンタテインメントシステムは最新の物らしい。Air Showも2種類。しかも、時々メッカのカアバ神殿の方位を示す表示が出る。なるほど。ここはイスラム世界なんだなあと思った。

僕はほとんど寝て過ごしてしまったが、機内エンタテインメントは良くできていたし、米国系エアラインの犬のエサのような食事に比べるとはるかに良かった。ただ堅めのシートが僕の身体とは相性が悪くて、まずドバイまでの約10時間が苦痛で仕方なかった。直行便で飛んでいれば12時間でローマに到着しているんだけどな。

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