ノイシュヴァンシュタイン城(2) 2011年欧州旅行記-55

がんばってマリエン橋まで強行してしまったので、ツアーが始まるまで30分近くも時間が余ってしまった。売店で飲み物を買い、ベンチに腰掛けて城を見上げる。19世紀に建てられた城だから、当たり前のことだが城壁自体が新しい。しかも戦いを想定して作られたものですらないテーマパークのような城だから、どことなく作り物めいた雰囲気が漂う。


ヘリコプターが現れて、しばらく城の正面でホバリングする。ポスターや絵葉書に使われているノイシュヴァンシュタイン城の写真は、実は地上から撮影はできないそうで、ヘリコプターから撮ったものなのだそうだ。ヘリコプターを使った観光ツアーなんて、ずいぶん豪勢だなあと彼氏と笑いあう。いつか自分もやってみたい気がした。

ツアーが始まると、オーディオガイドが貸与され、それにしたがって進んで行く。城内は撮影禁止だけれど、窓の外を撮影するのはOK。僕らがマリエン橋を目指して前のめりになって歩いた山道や、ホーエンシュヴァンガウ城、そして崖に架けられたマリエン橋を撮影することができる。


ノイシュヴァンシュタイン城自体は未完成の城で、装飾なども完成していないと感じさせられる箇所は多々あった。一方で電気、電話、エレベータなどが使われていたりしてびっくりする。微妙に不思議な空間だった。

「ここまで連れてきてくれてありがとうね」と彼氏にお礼を言って、僕たちはノイシュヴァンシュタイン城を後にする。坂道を他の観光客に混じって歩く。予定していた観光をすべて終えた充実感を胸に抱きながら。

ランチを摂ったレストランに戻ってきた。お土産屋も冷やかしたけれど、さすがに鳩時計を勝手も架ける場所がないし……と見送り。バスに乗って他のお客たちを待った。


バスはノイシュヴァンシュタイン城を離れ、ミュンヘンへ向かう。ノイシュヴァンシュタイン城はドイツ・ロマンチック街道の終着点だというが、バスは少しだけロマンチック街道を走った。丘とかわいらしい家々が続くその道は、その名の通りロマンチックだった。

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