L'Antica Trattoria(ランティカ・トラットリア) 2011年欧州旅行記-21

本来ならば、あらかじめ予約を入れてから訪れるべきトラットリア。時間が早かったこともあり、ダメ元で食事ができるか尋ねてみた。カルロス・ゴーンのような風貌の大柄なマネージャーは困ったような顔で予約帳を眺めたあと、このテーブルでよければと案内される。入り口に近いその場所は、しかし、通りから見上げると招き猫のように目立つ場所でもあり、そしてそのフロアマネージャーの男性が給仕してくれるのだから特段悪いテーブルでもないと思った。レストランで一番腹が立つのは、給仕の目が届かないテーブル。給仕に放っておかれるテーブルが最悪であると僕は思うんだ。


植物園にテーブルを持ち込んで食事しているかのような不思議な空間で、ソレントでの最初のディナーが始まる。


僕らはコース料理と、彼氏が選んだ白ワインをボトルを注文した。キリキリと冷やされた白ワインは、陽光で焼かれ、火照った身体にスッと染みこんできた。スティックパンをポリポリとかじりながら、アンティパストが登場するのを待つ。


アンティパストはクロケット。


つづいて、モッツアレラチーズを茄子で包み、オーブンで焼いた物。こってり、濃厚、もちもちとしたチーズの食感と、外側のトマトソースのかかった茄子とがよく合う。白ワインがますますおいしく感じられる。

パスタ。
彼氏はボンゴレ・ビアンコ。
僕はパルメジャーノンチーズの濃厚な味付けのパスタ。


メインは魚で。
僕はフリッター。フロアマネージャーは「てんぷら、てんぷら」と言う。
彼氏は白身魚(甘鯛か、鱸)を焼いた皿。ソースの色味がとてもきれいだ。


近くでドーンドーンと花火が上がる音がする。給仕に尋ねると、日曜日は聖人の日のお祭りで花火が上がるのだという。

デザートはバニラアイスクリーム。
チョコレートがおまけでついてくる。
さっぱりとしたバニラの風味が、舌に残ったフリッターの油っぽさを消して行く。


すっかりお腹いっぱい、ワインでいい気分になった僕らは機嫌良く店を後にする。

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