カフェで元気を取り戻した僕らは、今度は町を取り囲んでいる城壁を眺めに行く。城壁には所々に門塔があって、その中の二つにも上ってみた。
城壁は門と門の間をつないでいる。人通りもあまりなくて、僕ら二人は小声で話しながら歩く。時々銃眼から外の様子をうかがったり、城壁の修復に寄付金を出した人たちのプレートを読んだりしながら。
「飲み処」という赤提灯が風に吹かれている不思議な光景を見たところで、階段を伝って地上に降りる。沿道の店を冷やかし、クリスマス・マーケットでお土産を買ってからホテルに戻った。
がらがらとスーツケースを引っ張って、ローテンブルクの門から出る。門の中はおとぎ話の世界。そこから一歩外に出ると現代のドイツが広がっている。
ローテンブルクからミュンヘンまでは鉄道で移動する。
駅には出発時間の30分前に到着してしまったので、彼氏が売店で買ってくれたミネラルウォーターを飲みながら、2両編成のローカル線が入線するのを待つ。
ローテンブルクからミュンヘンまでの写真は、実は一枚もない。乗り換えは3回。ICEに乗り換えるまでにローカル線、中距離線を乗り継ぐ。しかも途中で10分以上の遅延が発生していて、僕と彼氏はICEにたどり着くまで気が動転していた。スーツケースをつかんで「GO!GO!GO!」と階段を駆け下りてとなりのプラットフォームまで走ったり。ICEも間違った車両に乗り込んで、先頭車両同士の向き合った向こうの車両に行けなくなりそうになったりで、最後まで気が抜けなかった。
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