フランクフルトからローテンブルクまで 2011年欧州旅行記-43

昨日に引き続き、今日も移動がメインの日。僕たちは、フランクフルトからローテンブルクまで鉄道で移動することにした。お昼ご飯は駅のフードコートで済ませようということになり、再びスーツケースを引きずって、僕らは巨大なフランクフルト中央駅にやってきた。


本当に巨大な駅だ。ロンドンのパディントンや、ビクトリアステーション、そしてこのあと訪れるミュンヘンでも感じたことだけど、日本人と欧州人の駅に関する感覚は、なにか土台の部分で大きな相違があるような気がする。欧州の「ああいう」感じのスケールを持つ駅は、JR東日本だと上野駅、他は関西の私鉄にしか見られない様式のように感じる。日本の、鉄道と駅という関係がまだ浅い国に対して、欧州のそれは、公道と馬車溜まりからから発展して、2本の鉄の道が作られ、鉄の馬車が走るようになったという感じ。だから駅も、公道に蓋をしたというか、屋根をつけてみたという感じの印象を受けるのだ。ああそうだ。駅の正面が長方形の長い1辺ではなく、短い1辺の方であることもあるかもしれない。

ここでもドイツは先進国だと思った。何事も整然と運用されているし、車両も新旧あれど汚い落書きなどもなかったし。ローマのレオナルドエキスプレスがとんでもなかった分、ここでは落ち着いた気分にすらなった。


フードコートで昼食を摂る。ドイツといえば肉とじゃがいも。そういうイメージが僕にはあって、彼氏を苦笑させる。だが、フードコートレベルですらマッシュポテトはもの凄く美味い。じゃがいもそのものの素材の良さに加え、バターと生クリームがたっぷりと使われていて風味が大変よい。そして肉!!ステーキじゃなくて、じっくりローストした豚肉。ダイエットの敵であることは分かっているけれど、カリッとした外側の焦げ目と、プルプルの脂肪の部分が美味くてなあ。隣のテーブルには中国人が巨大な肉の塊と格闘していた。あれは食べ切れたのだろうか……帰国してからも気になっていたりもする。


格好いいICEではなく、電気機関車に牽引された2階建ての長距離電車に僕らは乗る。

イタリアの車窓は、カラカラに乾燥したはげ山とオリーブの木、褐色の遺跡と、そして色とりどりの花が印象に残ったが、フランクフルトを出て、僕らが車窓から見た景色は、緑の濃い森と、そして見渡す限り続く小麦やトウモロコシの畑だった。そのしっとり潤いのある光景に、僕は安らぎを感じたりすらした。

途中で2回乗り換える。ここ(↓)が1回目の乗換駅。


そして2回目の乗換駅(↑)。

最初の長距離列車は年季の入った車体だったが、2回、3回目の車両はアルストム社製の気動車(DB 648型というらしい)で、これがとても近代的で乗り心地がよかった。車内には自転車持ち込みスペースがあり、けっこう利用している人が多かったことも印象的だった。


最後は単線区間を2両編成の気動車で走った。

見渡す限り畑で、曇りがちの空からは幾筋もの天使の梯子が降りてきていて幻想的ですらあった。


そしてローテンブルク駅に到着する。
静かな田舎の駅だ。駅前ロータリーは案外近代的。

そこからゴロゴロとスーツケースを引きずって、城壁で囲まれた旧市街をめざして歩く。旧市街へ入ると歩道は狭くなり、そして石畳なのでスーツケースのキャスターが悲鳴を上げる。市庁舎広場を横目に、ホテルをめざす。今夜の宿泊場所は、彼氏が選んだホテルレストラン アイゼンフート (Hotel Eisenhut)。貴族の館をホテルに改装したその作りは重厚で、おとぎ話の世界に迷い込んだかのよう。僕らは道路に面した清潔で、居心地のよい部屋をアサインされた。浴室も広く、洗面台は2つ設置。驚いたことに、トイレが浴室とは別の作りになっていた。彼氏との旅行とはいえ、浴室・洗面台とトイレが別になっているのはなにかと都合が良いのは言うまでもない。


場所が良いのでホテルの場所を見失うことはないけれど、目印は中世の鉄兜!と記憶した。
時刻は16:00だったが、まだまだ外は明るい。
荷物はそのままに、僕らは早々に市内観光に出かけた。

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