みずうみ レイ・ブラッドベリ

晴れ。14.5℃/6.3℃/47%/821day/4420(+0)

三日ぶりに雨が上がった。といっても未だに冬のような寒さ。
一度は仕舞ったコートを引っ張り出そうかどうか、すこし悩みました。

今日は仕事を定時で上がりました。
とっとと帰ればいいんですけど、帰りの電車で読む文庫本を探していたら、あっという間に90分経過、みたいな。最近ビジネスとは関係ないものばかり読んでいるわけですが、村上春樹の"グレート・ギャッビー"、神林長平の"膚の下"で迷っているうちに、レイ・ブラッドベリの"10月はたそがれの国"を手に取ってました。グレート・ギャッビーが最有力だったんですが、いかに村上春樹訳とはいえ、以前ほとんど挫折寸前で読了した小説に再挑戦する決断ができません。購入は継続検討中というところ。

"10月はたそがれの国"は、すこしホラーの入ったSF幻想文学。そして、ねらいは"みずうみ"。 うまく説明できないんだけど、この作品はある種の作家にだけ執筆することが許される「少年期の、あの、二度と還らない夏」を描写していている。初版は 1965年で、僕の生まれる前の訳出なわけで、そして僕が最後にこの作品を読んだのは高二の時。尾崎豊が好きだった同級生に勧められて手に取ったのだから、ずいぶん古い話だよ。

『それは九月。夏の終わり。理由もなく、悲しみが湧きあがってくる時季だった。ながいなぎさがつづいてい るが、六人ほどの人かげしかないさびしさだった。子供たちはボール遊びをやめてしまった。風が、その吹きすぎるすがたに、哀愁を感じさせたからだ。子供た ちまでがすわりこんで、なぎさに忍びよる秋の気配を感じていた。

どのホット・ドックの屋台店も、金色の細板が打ちつけてある。カラシ、玉 ネギ、肉の匂い、楽しかった長い夏の思い出をとじこめて、いわばそれは、夏を釘付けにした棺の列か。戸じめにする家が一軒ずつふえていった。南京錠がおろ されると、外では風が砂をなぶりだし、七月と八月につけられた百万からの足跡を吹き消していった。それが九月。』


20年ぶりに再会する活字の、夏の終わりの繊細な表現にあらためて痺れたよ。
週末、耽美な幻想に溺れてみることにしましょうか。


今日のランチ!は"札幌 味噌や""味噌ラーメン"

オトコだったらなにも言わずに味噌ラーメンを食え!

もやしがたっぷり乗った北海道の愛を食らい尽くせ……というのは言い過ぎでしょうが、西山製麺工場から空輸された腰の強い卵麺は、歯ごたえと小麦の風味が溢れ出ていて、とてもうまかったっす。
地元にも鮭節をつかったラーメンを食べさせる店があるんですが、ここも麺は西山製麺製でした。メジャーなんですな。

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