リゾートホテルの朝 2011年欧州旅行記-30

前夜、ヴェスヴィオス火山を眺めながらおしゃべりしていたので、カーテン、電動シェードも閉めないまま、僕たちは眠り込んでしまった。欧州暮らしの彼氏とはちがい、僕は時差ぼけが治らないまま。今朝も6時前に目が覚めてしまった。暗く沈んだ部屋の向こう、窓の外にはモネが描くパステル調の南欧のような景色が広がっている。彼氏を起こさないようにベッドを抜け出した。


宿泊客がベッドでまどろんでいる朝は、ベランダは鳥たちの遊び場だ。僕らの部屋のベランダでも、鳩が毛繕いをしている。眼下のガーデンからは、ホテルスタッフがホースで水を撒いている音が上ってくる。アスファルトに当たってビチビチビチと心地良く響くその音は、僕にとってリゾートホテルの朝を実感させる重要な生活音だったりする。ベランダに置かれたテラコッタも、まだ朝日が差し込んでくる前の、夜と昼が交差する空間に身をゆだねている。微風が、空に向かって針のように手を伸ばしている名前も知らない植物を揺すっている。その様子を僕は飽きずに眺めていた。


やがて彼氏が起き出してきて、ベランダに腰掛けて取り留めのないおしゃべりが始まる。隣のベランダからも男女の声がして、彼氏は、前夜のガーデンビュフェディナーで隣のテーブルに座っていた英国人カップルではないかと言う。静かな時間を楽しんでいる気配がこちらにも伝わってきて、リゾートホテルの穏やかな朝を感じさせた。

"青の洞窟"見物も前日に達成し、僕らは気が抜けたような朝だった。
アマルフィ海岸見物が今日の目的だったけれど、なにもそれほど急ぐ旅でもないし、朝食も8:00頃に食べ始めればいいやと、交代でゆっくりとシャワーを浴びてから、朝食ビュフェに向かう。さすがに前日のオープン直後とは状況は異なっていて、テーブルは結構埋まっている。

僕は、オードブルにチーズとハム、そしてピクルスとトマト。ハム・チーズ入りのオムレツ、デニッシュ2種類をコーヒーと一緒に楽しんだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿