今日は幸せな日でした

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今日は幸せな日でした。
それは自分本来のスタイルを再確認できたことでした。

今日も引継ぎが2件。一つは五反田、もう一つは恵比寿。
お客さんとは冗談を飛ばしあって、終始なごやかな雰囲気。
後任の新卒クンなんかは「××さんの営業ってすごいですね!」とか「こんな営業初めて見ました」とか目を丸くしている。たしかに1時間のうち50分くらいは 無駄話で盛り上がっている。最後の10分でささっと仕事の話をして、でも買ってくれとは言わないで引き上げてくる。端から見ていると遊んでいるように見えるかもね。でも大体2週~3週間ほど後に「あらためて詳しい話を聞かせて」と連絡をもらったときは、20分ほど話をしてささっと契約を取ってくる。

これは誰かに教えられたスタイルではなくて、社会人初期の頃に身につけたもの。

入 社して3ヶ月目くらいかな?大手製薬メーカーから1,500万円ほどの契約をもらったときに、不躾にも「なぜ契約してくれたんですか?」と先方の部長に尋ねたことがあった。今だったらそんなことを聞けないけどね。そしたら「キミに大きく騙されることはないだろうと思ったから」という、また率直な感想をもらって恐縮した経験があった。
結局、評価してもらったのはセールスしていた自分自身。もちろんクライアントに損させるような商談はしないけれど、 その分、相手に心を開いてもらえるように仕事以外のネタを使ってコミュニケーションを取っていたんだ。一度信頼関係ができれば、僕らは続けて仲好しさん。 もちろんベストは尽くしますが、僕が遊びに行くことがクライアントの楽しみになってもらえるような関係作りにつとめてました。

一時期は、このやり方を否定されたこともあった。そんときは凹んだけどね。けれど、このやり方も一つの方法なんだと再認識したよ。おかげさまで、ここ数日、後任担当はおみやげをもらって帰ってくることが続いている。僕も少しうれしい。

押しは強くないし、イケイケ系の上司には好まれないだろうけどね。このやり方でもいいんだ……それを再認識してちょっとうれしかった。

そうそう。挨拶に行く先々の女性担当者は、けっこう名残を惜しんでくれるので、社交辞令でもけっこううれしいんです。 ^^

もう一つ。
午後の外出前に有楽町三省堂で"企画書は一行"という新書を買いました。
要は良い企画書は、最初のたった1行で企画の意図が伝わるものであるってこと。
これも社会人初期の頃は自然と実践していたんだけど、会社が役所と付き合うようになってから、つまらない末節が爆発的に増大するタイプの企画書を書くようになった。
不思議なことに、いまいるメディアも同じ間違いを犯している。そんな分厚い企画提案書を一体どうやって説明するんだ?途中を割愛するような企画提案書は最悪だぞ、と思いつつも流されていた。

たった1行の言葉が、プレゼン参加者の間で共有され、そして知的ゲームが始まる。
そんなスリリングな仕事を、このしばらく忘れていたよ。

まだ若かった頃。新米営業マンの僕は、枕になる最初の一行をひねり出すために、ウンウン唸っていたものだった。悩んでいるうちに、いつかスルッと腑に落ちる言葉が降りてくる。それさえ見つかったら勝ったも同然。あとは自然と手が動いて企画書ができる。

そうだ。僕はもともとそんな世界で生きていたんだ。

最終プレゼンの席。ずらっと揃いも揃った12人のクライアント担当者たち。
それもむずかしい肩書きばかり。プレゼンテーター代表は僕だ。

先方のプロデューサーが開口一番、妙なことを言い出す。
「僕たちを5歳の子供だと思って、説明してください」
そして、こちらを見つめている。

「……承知しました。
フィラデルフィアの精神に則って。」


会議室の空気がフワッとほぐれる。みんなリラックスしてる。
「ではお手元の資料をご覧ください……」

プレゼンテーションは成功だった。
一月前、僕はたまたまその映画を見ていた。
それはデンゼルワシントンが何度も繰り返して口にしていたセリフだった。
そして先方プロデューサーは、その映画の宣伝を担当した人だったのだ。

もちろん当時使った提案書は、1行でコンセプトが説明されているような洗練されたものではなかった。でも、いまでも強烈に印象に残っているのは、あの瞬間、 お互いの間の心理的な壁が壊されて、僕らは一緒になにか仕事ができるにちがいないという予感を抱くことができたという経験だ。

新しい仕事が近づいてくるにつれて、不安がないと言ったらウソになる。
完璧じゃないし、勉強も続けて行かなきゃならないけれど、でも、なにかを掴んだような感じがしている。コンセプトになるであろうコトバたちが、次々に生まれてきている。どれもが愛おしい。いま、とても幸せな気分につつまれている。

今日はブレイクポイントだったようだ。(`・ω・´)シャキーン


P.S.
とカッコつけてみても、僕はあまりいいスタッフじゃなかったよね。
ごめんね>元上司のsさん orz

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