ガス大爆発ということで。

渋谷の温泉大爆発事件、大変なことになってますね。

ヒトって五感で感じ取れないものについて、なかなか危機意識がもてないもんです。この 設備が危険だという認識を持った関係者はほとんどいなかったのかもしれません。記者会見を見ていると、オーナー、管理会社、下請け管理会社がそろって運営がずさんだったみたいだし。温泉の専門家がちゃんと見ていたのか、激しく疑問。
最近、リストラとか、コスト削減とかで、本当のプロフェッショナ ル・技術屋が姿を消して、アマチュア、セミプロまがいが企業を廻しているケースが増えてますよね。人件費は削減されるけど、アマチュアの仕事は所詮アマ チュアの仕事。プロには勝てない。それでいて「当社はコストを抑え、利益率が高いのが強みです」とか言ってる経営者を見ていると、やりきれない思いがする。表面だけはきれいに繕っていて、裏側は手抜きまくりの張りぼて企業は数え切れないほど存在しているんだろうな。

そういえば、"南関東ガス田"って言葉を聞いて、小学5年生の頃、当時の建設省だか千葉県庁だかが配っていた「水のはなし」という冊子を思い出した。
もともと千葉県は温泉は出ないが、地下水は豊富と言うことで、なんか水の効率利用について啓蒙するような冊子だったような記憶がある。その中で井戸の掘り方という説明があって、上総掘りの紹介中、大多喜町で井戸を掘っていたら天然ガスが噴出して、それに火がついてる写真が掲載されていた。たぶんこれが南関東ガス田なんだろう。

ふむふむ。
ガキの頃の知識がよみがえったというわけで....φ(・ω・` )
末筆ながら、亡くなった3人の方のご冥福をお祈りします。

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温泉水に溶け込む天然ガス 充満し引火、爆発の可能性 '07/6/20

東京都渋谷区の「渋谷松濤温泉シエスパ」で十九日起きた爆発事故は、地下千五百メートルからくみ上げた温泉水に含まれる天然ガスが引火、爆発した可能性が 高まった。千葉県を中心に東京、神奈川、茨城、埼玉の都県の地下には地層水に天然ガスが溶け込んだ「南関東ガス田」があり、温泉が出やすい半面、可燃性ガ スへの対策が求められる。

爆発したのは従業員更衣室などがある「B棟」で、地下一階にくみ上げた温泉水から天然ガスを分離する「ガスセパレーター」と呼ばれる装置があったが、警視庁などでは、何らかの原因でガスが室内に充満したとの見方が出ている。

東京都北区の温泉採掘現場で二○○五年二月、天然ガスによる火災が起きた。これを受け、東京都は温泉掘削などの際に可燃性ガスの安全対策を徹底するガイド ラインを作成し(1)深度五百メートルを超える掘削では可燃性ガス噴出を遮断する装置を設置する(2)ガスが危険濃度に達すると警報を発する検知器を設置 する―ことなどを定めた。

都は掘削、くみ上げ装置の許可段階で安全性を含めて審査し、施設稼働後は取水量などを規制している。施設設備の維持管理については温泉法での規制はないが、都はガスセパレーターの設置に加え、検知器などの設置も指導している。

ガス田の天然ガスは、約三百万―四十万年前に海底に堆積(たいせき)した海洋プランクトンの死骸(しがい)などの有機物がバクテリアによる分解で生成する。南関東ガス田の場合は、深さ五百―二千メートルに天然ガスが溶け込んだ地下水層が存在し、日本最大規模といわれる。

温泉は深く掘るほど水脈に当たる可能性が高くなるため、地下一千メートル以上掘るケースもあり、同時に天然ガスが含まれる危険性も高まる。

日本ボイラ協会(東京)の関口恵二検査部次長は「爆発の規模を見ると、地下だけでなく、建物内にガスが充満していたのではないか。照明などの電気が火元になって爆発した可能性がある」と分析する。

財団法人中央温泉研究所の滝沢英夫研究員は「東京のガス田はメタン純度が高いためにおわない。特に住宅密集地にある温泉施設の場合、ガスの大気解放がうまくいかないことを想定し、検知器で濃度を測定すべきだ」と話している。

出典:中国新聞ニュース(2007年6月21日)

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