名前でも書いておくとか?

新宿二丁目が没落した原因のひとつとして、1990年以降、メディアと女性が入り込んできたためという人がいる。もちろん、これは原因の一端であって、同時にネットでの出会いが爆発的に発達して、新宿二丁目に出てくる必要がなくなったことの影響のほうが大きい。週末になると中通りが男達で溢れかえるほどの賑わいだった頃に比べると悲惨なものだが、それでも場所によってはそれなりに人はいる。

色々なタイプの店、色々なタイプのゲイがいるわけで、女性に対する意見が集約されるわけではないけれど、女と飲むのは嫌だ!というゲイたちがよく口にするのは「わきまえて飲みなさい」「きれいに飲みなさいよ」に集約できるかと思う。アルコールが入り、オネエが飛び交い、そして隣にいる男から性的な目で見られることのない気楽さから、ハメを外してしまう女性が少なくない。そこは気を付けたらいいと思う。あくまでもAwayなんだからさ。外国人に混じって酒を飲んでいるようなもので、地雷を踏んだら総スカンくらってしまうんだよー。遠慮気味で飲んでいる女性には、オカマたちは案外親切だったりする。

女性が入れる店って難しい。古典芸能なんかをクチャクチャ話している系か、ボーイズバーっぽい系か、あるいはクラブ系ショットバー。どれかに落ち着いているなら良いのだけど、このいずれか他の系列の店に行くとだいたい浮く。しかも、僕と彼氏が行き着けにしている店は、宅飲みしているようなダラーッとした空気がながれている場所。ここもなかなか上記3系統に行きたがるような女性には向いていないんだよなあ。

来週月曜日にノンケ夫婦をご案内するにあたって気になる客層をチェックするため、昨夜、僕は下見に行ってみた。月曜日はmixになったとはいえ、「ちょっとオンナが来たわよ」って店内ドン引きになったら申し訳ないので……。

エレベーターを降り、ドアを開けると、「まあ、なんてことでしょう!(加藤みどり風)」 。月曜日からイケてる男達で満卓じゃありませんか。さすがにちょっとびっくりした。きれいなリーマンたちが並んでる。しかも隣同士でネコがじゃれあうようにクスクス笑いながら静かに話している。う~む、ちがう意味で僕にとっても月曜日はAwayかもしれん。

そんなわけで、入り口の一番端っこでちまっと腰掛けようとしたら「お~い」と奥から呼ばれて、そちらへ移動。常連客2人と、自称「金曜日のアイドル」ノンケ店子がいた。てかお前、月曜日から二丁目で飲んでいるノンケって、いったい何者だよ。(w

先日、ママと、近々寿退店するそのノンケ店子について話していた。

「あれはちょっとなかなかいない人材だよね」
「そうなのよねぇ。代わり見つけなきゃならないんだけど、なかなかね……」
「てか、あいつ、ほんとにノンケなの?」
「誰かが背中を軽く押したら、こっち側に落ちると思うけどねぇ」
「じゃー、あいつを落とした人に金一封ってどうよ」
「いいかもねぇ~」
「じゃ、ノンケを落とすためのタスクフォースでも組むか (w」
「そんな大げさな (w」

シャルドネをグラスの中でユラユラと揺らしながら、僕らは笑った。

この話を当のノンケに話すと……。

「ぜってー、ありえないから!」(キリッ)
「それにしても、金一封ってどのくらいなんだろうね?」
「10万くらいじゃね?」
「10万くらい使ったら、このオトコは落ちるんじゃない?」
「安っ!」(w

ゲラゲラ笑いながら、それぞれ酒を煽る。

「金一封もらうには、evidenceは必要だろうなぁ」
「なに?血まみれの○○クンの処女ケツの写真とか?」

きったねーな! と笑い声が上がる。

「ちょっと待ってよ、なんでオレがウケなわけ?
オレが挿入れるほうだったらどーすんのよ??」
「…………。名前でも書いておくとか?」
「竿に!?」

お前バカすぎ!と店内大爆笑。

「しかも挿れてて、最初の一文字が写っていなかったらノーカウントなんだろ?」

お前ほんとバカねっ!と再び爆笑。
てか、ノンケがオチをつけてどうするんだよ。(w

そんな調子の月曜日のゲイバー。
混んでるから遠慮しようかと店子に言ったら「頼むから来て!今日が異常なの!普段は全然客がいないのよっ!!」と必死の形相。というわけで、来週はノンケ夫婦を率いて行くつもり。

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