BL漫画レビュー:富士山ひょうた『落下速度』

さてと。首都圏に住むゲイの職業分布って、どんな感じなんだろうと時々考える。たぶん地方よりはカタカナ職業が多いんだろう。コスメ、ファッション、メディア、Airline etc……と華やかなところにゲイは集まりやすいからな。
でも統計を取ってみれば、恐らく一番割合が多いのは"ゲイリーマン"でしょうから、主人公カップルは学生なんかよりも断然こちらのパターンが多いはず。

さて、ひさびさのテーマは
富士山ひょうた 『落下速度』

互いにノーマルだったはずなのに…
広告代理店勤務の堤と取引先のビール会社勤務の七瀬はプライベートで飲むくらいの付き合い。だが、酔いつぶれた七瀬を見て、その身体に触れたいと思った時から二人の関係は変わっていった…。


人気作家富士山ひょうたの作品の中で、いまだにランキング上位をキープし続けているので、それだけストーリーの良さが評価されているのだろう。

僕個人として、リーマンと付き合うなら営業職の人がいいな。確かにバックオフィスのエリートとつきあう醍醐味はあります。話がでっかいから(笑)。
でもね、ここがA型の僕の限界といいますか、おつきあいするにもプロトコールってのが大事だと思うんですよ。食事する時もお互い気を遣いあって、楽しく食事ができるように努力するとか、待ち合わせには遅れないとか。その場や、その相手にはふさわしくない話題を出さないように配慮し、相手が不快に思ったり、窮地に陥ったりしないように気遣う。リーマンでも職種によってはこれができなかったりします。営業同士だとごく自然にできる行動でして、逆にこれできないと 何事も円滑にまわらなくなってしまう。

「そういうつきあい方って、本当のつきあいじゃないと思う」と何回か言われたことも あります。でも、いきなり、あるいは相当深く付き合うようになっても「これが本当のオレだー!」ってのを相手にぶつける事って、なかなかできないものじゃないでしょうか。人間それほど浅いものじゃないと思うし、あるいは僕個人の抱えているものが本人も正視できないほど醜悪だからかもしれませんけど。

とまぁ、元営業はこんなふうに思うんですね。

1.絵柄
この作家の絵柄は安定していて、眺めていて安心。大きな破綻はなし。
マンガはキャラの顔が命といいますけれど、この作家の画風は面長のキャラが多い分、10代よりも20代中盤以降の男性を描かせるとピタッとはまる感じがします。

2.ストーリー
イケメン、といってもホスト系じゃなくて、良い意味で普通の20代リーマンが主人公。広告代理店営業の堤廉司(27歳)と、ビール会社企画部社員(宣伝?)七瀬陽一(25歳)の"ノンケ"同士が恋に墜ちるお話。
もともと仕事を通じて酒を飲みに出たりする仲ではありましたが、ひょんなきっかけから代理店側(w)がビール側に恋してしまう。リアリティがあると言えば 「気づき」のシーンでしょう。堤が七瀬を意識するようになる瞬間というかきっかけ「あれで女だったら うっかり喰ってそーだよ 俺……」。ここからすべてが始まるわけですが、ifという問いかけを少しずつ拡張し、自分の気持ちと照合して行く過程が、うん、リアリティがある。

3.エロ度
そこはかとなく……ハードに(w。

4.まとめ
人が恋に墜ちるスピードって、いったいどの位なんでしょうね。
超スロースターター派な自分としては、ものすごくなぞです。
……ひさびさなんで、まとまらない(苦笑)。
ということで、僕は営業職の人が好きと。(w


絵柄 :★★★★☆
ストーリー:★★★★☆
エロ度 :★★☆☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

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