BL漫画レビュー:永遠のため息

今夜も濃いいなぁ。

内田かおる 『永遠のため息』

一見少女マンガの王道のようなタイトルだ。舞台は弓道部。袴である。男子校。凛々しい顔立ちの大滝部長。"古式武道"の流れを汲む静謐な世界で繰り広げられる男子高校生たちのさわやかな友情が描かれているのだろう、などと甘く見てるとヤケドする。断言しよう。開けてみればヤマジュンといい勝負のディープな世界が繰り広げられている(汗)。
無駄に盛り上がった胸筋、まるで昆虫の外殻のごとき硬度で描かれる腹筋、肩口についているんじゃないかと心配になるビーチク、そしてほとばしる汗と汁……BLってよりはこれはホモマンガだ。ヤマジュンの親戚だ!、と一瞬思われるのだが……。

1.絵柄
肉体描写を除くとあまりうまくない。というかむしろ手を抜いているような感じもする。アシスタントを入れて手分けして作業していないのかな?
代 わりに筋肉に対する執着はものすごい。高校生にしてすでにステロイド漬けになってんじゃないの?ってな位発達した筋肉の描写はまさに肉弾戦。10代女子に はキツイんじゃないの?ってなくらい本格的で、作家はどういう経緯でここまで来てしまったのだろう?とまじめに問いかけたくなる。
いくつかBLコ ミックスを読んでみて分かったことだが、BLに登場する男性の身体は、そのどこかに女性っぽさが投影されている。顔で言えば女顔。それは性別としては男性 なんだが、どこか女性的やわらかさが含まれている。ボディラインの描き方も同じで、すげー筋肉質(orマッチョ)に見えても、その向こうには乳房のない女性の肉体が透けて見える。
だが本作品において絵柄に関しては前述の要素が見えないんだな。不思議である。作家は突き抜けてしまったのか?ここはBLの極北の地なのか??

2.ストーリー
といいながら、ストーリーは絵柄と正反対だからおもしろい。
" 永遠のため息"は、弱小弓道部の男前強面大滝部長と、彼に惚れてるチャラ男の葉山が主人公。素人同然の顧問と、実力不足の後輩達の面倒を見ている大滝は、ついつい周りに強く当たりがち。しだいに周囲から浮いていってしまう。ある日後輩の集団退部騒動が勃発。責任を感じて退部願いを出した大滝を救ったのは、 チャラ男葉山だった。

この話は大滝を崩壊家庭で一人がんばってるけなげな"長女"って役に置き換えると分かりやすい。酒浸りのオヤジ、病気がちの母親、借金、足手まといの弟妹、そんな悪条件をすべて背負い込んで、女であることを捨てて一人戦っている長女A。
難 しいねぇ、人間一人で戦うなんてつらいじゃん?で、大体負ぶさっているヤツが好き勝手言って傷つけるしな。長女Aはがんばってがんばってがんばって、ある 日ポッキリ折れちゃう。あるいは自分がいなくても案外周りが回ることに気づいて愕然としちゃう。アイデンティティの危機。そんな時に現れるのが白馬の王子で、今回は葉山が担当というわけだ。

王子が現れれば、長女にかけられた呪いは解け、晴れてオンナに戻ってしまう。それから先はもう大滝はもろに女の子として描かれているといっても過言ではない。絵柄とのギャップはむしろ女性性を隠すための過剰な演出か??

3.エロ度
なんども言わない。こりゃゲイ雑誌に載っていても不思議じゃないエロさ。
でもストーリーは完全にBoy meets Girlとなっているんで、やっぱりBLなんだろう。

4.まとめ
Boys Loveのルーツと絡めて語るほど僕には力量ないんでやめときます。
ボコボコの腹筋が好きな方にはオススメです。


絵柄 :★★☆☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
エロ度 :★★★★☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

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