一夜が明けて

> 僕はなんのために生きているのかなー?
> って考え込んでしまった日でした。(;^ω^)

昨夜は↑のようなことを書き込んでいましたが、別にネガティブな意味ではないです。はい。青山で会食後、夜風に吹かれながらメトロ入り口を目指して歩いていたときに、ふと思い至ったことを書いただけ。

昨年末のことになりますが、"どつよ"を面接したときに彼が「将来はWebディレクターになりたいと思っています」と言ってのけたのには仰天した。おいおい。ポテンシャルはあるかもしれないけれど、経験なしで「ディレクターになりたい」と門を叩いて採用してもらえるほど業界は甘くないぞ。「坊や……寝言は ベッドの中で言いたまえ」と僕は苦笑しながら彼のアピールを聞いていた。

彼の天然キャラクターで救われている部分は多々あれど、彼はWeb、特にインターネットの深いところを知らない。例えばブラウザのキャッシュについても知らなかったし、業界的には僕が同僚と「で、Sun Microはさぁ……」とか盛り上がっていると「それって日サロですか?」と真顔で聞かれたときには僕ら絶句したりだし。最近こんな感じのWebデザイ ナーも少なくないんだとか。

とは言うものの、僕が見てきたWebデザイナーなかでは、良好な勤怠、仕事に取り組む姿勢、タバコを吸わないこと、気働きができること、与えた課題以上のアウトプットを出してくるところをけっこう評価していた。ウチでWebのメンテナンスをしていても、ディレク ター職へ進むことは不可能だ。ちとお節介を焼くか……。

昨夜、青山にあるWebプロダクションの社長とご飯を食べる予定があったので、" どつよ"は勉強がてら同席をするというセッティングをした。彼女とは10年近いつきあいなので、本音でだべれる仲。坊やにいっちょ人生と専門家の意見を披露してやろうか、という趣旨で盛り上がった3時間。Webディレクターになるには、やはりでかい仕事をいくつも経験しないと使い物にならないというのが僕と彼女の意見。でかい仕事というのは、最低1千万以上の案件のことを指す。またクライアント、広告代理店、外注が登場する案件を仕切る経験も必要。そのためには有力なデザインプロダクションに所属する必要がある。大型案件を回すにはコミュニケーションスキルとチームワークが必須。だから一人で仕事をしているあいだは成長に限界がある、と酒を飲みながら諭した。

"どつよ"がウチで勤務するのは原則9:30-17:45。夜はなにをしようが僕は関知しない。「仕事があふれたら使ってやってよ」と売り込んでお開きとなった。

"どつよ"と別れて、ベルコモンズから少し歩いた。
顔にあたる夜風が気持ちよかった。

「いい子ね。あなたが推すだけあるわ」
「だろ?使えそうだったら使ってやってよ」
「彼に飛び込んでくる勇気があったらね」
「だな」

そういって僕らは手を振って別れた。

僕のカンだが、彼が本気でWebディレクターを目指すつもりならば、どんな形であれ6ヶ月以内にウチを離れるだろう。後任の担当者に一から仕事を教えるのはめんどくさいのだが、彼の人生にとってプラスの選択を後押しすることに、僕のためらいはない。
"どつよ"はちがうが、こんなふうに僕は何度も"掌中の珠"を手放してきた。ビジネスでもプライベートでも。もったいないなぁと思うことがないといったらウソになるが、自分の選択に後悔はない。未練が残る場合はある。僕も人間ですから(笑。

いろいろと手放してゆくと身軽にはなります。
身軽な人生……でもその先の自分にはなにが残るんだろう?
文庫本を閉じ、酔客を乗せた電車の中でぼんやり物思いにふけった。

僕はなんのために生きているのかなー?
って考え込んでしまった日でした。(;^ω^)

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