Shall we Dance? (後編)

晴れ。

お昼ご飯に中トロ握りと鰻重というとんでもない組み合わせを喰う。
至福のひととき(苦笑)。

さて、昨日書き残したShall we Dance?の後半。

平凡なサラリーマンが社交ダンスの世界に飛び込むといえば、普通、勇気あるなぁとか思うところだが、僕の身近には"実録"で意外な人が社交ダンスをやっている。
幼なじみのオヤジさん。ペンキ屋の棟梁(って言葉があるのか知らないが)。普段はTシャツにペンキを薄めるシンナーの匂いを漂わせた根っからガテンなオヤジさん。だが、週に何回か仕事が終わるとシャワーを浴び、香水を振ってダンス教室に出かけてゆくのだ。
竹中直人のような「日本のおやっさん」の趣味が社交ダンスってのは、ものすごく奥の深い人のようでかっこいい。映画の中で「ダンスをやっている人は見ればわかる」というセリフがあったが、確かに単なるガテンじゃない、姿勢の良さ、きびきびとした所作が彼から感じ取れる。ダンスってすげーなーと思った。ダンス のそれは自分の動作に意味づけを行う行為だ。逆に言えば、日頃の自分は所作に対してなんと無神経なことか。身にしみました。

Shall we Dance?の配役は、ほぼ日本版を踏襲している。
とはいえ、なぜこの映画の中にゲイを登場させなかったのだろう?、と思った。
そうでなくてもダンスとゲイは距離が近いのだし。アメリカのオリジナル作品だったら絶対「ウイットに富むゲイ」ってのが出てきたと思う。それもちょっと捻ってあって、そのゲイは若くて超美形なんかじゃなくて、"プリシラ"に出てくるような中年ゲイだったら最高にはまったんじゃないかと思う。やさしくて、情け深くて、涙もろくて。そんなキャラクターが入っていたらなぁ。

そろそろまとめよう。
競技会当日、会場に駆けつけた妻と娘のかけ声が、夢の時間にピリオドを打つ。そして日米それぞれの主人公は"家庭(というか夫婦)"にかえってゆく。
日本版を観た時は、ガキながら、妻の振る舞いは「ちょっと幼い反応だな」と思った。こういうシチュエーションに直面した女性の気持ちを僕は理解できていないけれど、もし贅沢を言わせてもらうことが出来るのなら、せめて米国版、スーザン・サランドンには"ラストダンスは私に(Save The Last Dance For Me)"のように、オトナの女性を演じて欲しかったな。

たとえばこんなAnother Story。
主人公ジョンは、会場に妻子がいることに気づく。その姿に動揺したジョンはステップを乱してしまう。無言で立ち去る妻子。場面が変わって地下鉄に乗って帰宅の途につくジョン。"The Book of Love"が バックに流れる。少し気まずい日々が続く。会話が少なくなる一方で、二人はそれぞれ相手の存在の大切さ、家庭の大切さに気づいてゆく。ポリーナが渡英する前日。タキシードで身を包んだジョンの向かう先は、妻ビヴァリーのオフィス。赤いバラを一輪持って。ダンスを申し込む相手は妻ビヴァリーしかいない。"愛と青春の旅立ちのラストシーン"のように……。

最後に。
映画の中で「ダンスのうまい男はセックスも上手?」というセリフが出てくる。
答えは、"Yes! Yes! Yes!"
僕が保証します。 (^^)

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