商業BLは下り坂のような気がする件。

先々週の金曜日。
新宿二丁目の某飲み屋で、少女マンガ好きのノンケ男、BL・マンガ好きのゲイ二人が盛り上がっていた。そのときに出てきたのが「商業BLは、もう下り坂だよね」という話。また盛り返すかもしれないけれど、いまはヤマを越えてしまってひたすら下り坂のような気がするという話をしていた。

思うにね。
商業BLの存在意義って、今ではとてつもなく薄まってしまっている気がするんだよね。amazonの売れ筋を見ていても、古い作品が未だに上位に出てきたりする。良い作品は売れ続けて当然と思う一方、売れる新しい作品が減ってきているのではないかなとも思う。新宿二丁目の某飲み屋のチーママも「腰乃はおもしろい」と言うけれど、あとはまあ、普通かなという反応。

BLのルーツとかは割愛するけれど、BLの面白さの一つは、恋愛のハードルを高くするところだったわけで、それが簡単に告って、いや、告ることすらなくって、流れでSex突入みたいな作品が増えてしまうとさ、商業BLってなんなの?なんか意味あるのってことになる。オンナだってち●こ弄りたいんだ、っていうならば、もっと激しい「薄い本」の方がよっぽど過激で、奔放なわけで。

なんというか、粗製濫造が商業BLを痛めつけているような気がしております。

もっとね、重たい重厚な作品が出てきてもいいと思うんですよ。志水ゆきの"是 -ZE-"とか、日高ショーコ、宮本佳乃とかさ、主人公たちが「なぜオトコのあいつを好きになっちゃったんだ?」と苦しんだり、「あんたのことが好きなんだ」とグルグル悩んだりする作品が読みたいよ(個人的には、東電OL殺人事件なみにレゾンデートルを賭けて身体売ってる男子とか、そういうエッジ系なBLははまる)。出会った翌日「ピコーン!先輩に告っちゃおう!!」みたいなイージーな作品は、エロマンガとしても深みが足らないのさ。

いま少女マンガの方を見ると、そうだなあ、「君に届け」、「ストロボエッジ」、「アオハライド」みたいな直球・王道系の少女マンガに人気があったりするわけじゃないですか。

BLマンガが、オンナになりたがらない系の少女たちのものから、1990年代により一般化する過程で、いろいろなシチュエーション・ラブストーリー(カップリング、登場人物の職業)が開発されたけれど、もはややり尽くされた感がある。で、男同士というハードルももの凄く低くなってしまったし。
だったら、王道系少女マンガ並みに、超ベタなんだけど、萌え殺されそうになるような話を読んでみたい。商業BLでは長期連載は難しい現状があるかもしれないが、ノンケが読んでも萌え死ぬような作品、誰か書いてくれないかな。

腰乃はおもしろい。
主張とは異なるけれど「ほんと野獣」も結構おもしろいと思う。


2 件のコメント:

  1. 十代の頃は、竹宮恵子などの漫画を読んでました。
    つい最近、最近BL漫画を同僚から借りて読みました。
    内容の薄さと性描写ばかりが目立っていたので、正直、驚きました。
    1990年代から最近まで、漫画をほとんど読んでなかったので、BLがいかに進化していったかを、興味深く読ませてもらってます。

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  2. > 匿名さん

    はじめまして。
    こんな辺境ブログにお越しいただいてありがとうございます。
    BLマンガになにを求めているのか、って議論はあるけれど、昔の耽美漫画・耽美小説と呼ばれていた時代にはあったテーマ性は、現在では失われていますね。
    一般の少女漫画に比べると、竹宮恵子時代から性表現は激しいものがありましたが、かろうじてエロ本ではなかった。それがいまでは……という印象を感じます。

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