2011年台湾旅行記-5

ちょうど一週間前の日曜日の朝、僕らはシェラトン台北から台北駅に向かって歩いていた。雨が降るかもしれないという天気予報が外れて、とてもさわやかな風が吹いている。日向では少し汗ばむけれど、日陰に入るとすぐに冷涼な空気に包まれる。

台北では朝ご飯が無料でついているホテルが多い。シェラトンは朝食が別料金。ここのビュフェは品数が豊富であると地元民にも知られている。だけど、彼氏は旅行計画段階から、小吃で食べる台湾式ハンバーガーに行きたいと言っていた。彼氏は一日早く台北入りしていたから、もう台湾式ハンバーガーを食べたのか?と尋ねてみると、寝坊して、お目当ての店では食べられなかったと言う。それじゃ、朝ご飯は台湾式ハンバーガーを食べてみることになった。

シェラトンを出て、煉瓦造りの監察院の脇を通り、広い交差点を渡る。忠孝西路沿いにあるセブンイレブンをちょっと超えた先に、アリエッティのような風貌の小姐が、熱した鉄板の上で大ぶりなへらを振るっている店があった。

ここで、台湾式ハンバーガー(割包)を注文する。僕は他の客が頼んでいた炒め麺が気になった。台湾でよく見かける平たい細麺に、味噌のようなタレをまぶして炒め、そこに卵をぱっとのっけている。「あれが食べたい……」彼氏に相談するも、どのメニューか分からない。「あのお客が頼んだやつ」と身振り手振りで伝えると、焼麺というものらしい。

レモンジュースと、ハンバーガー、そして焼麺を注文してテーブルに座る。初めての小吃。僕たちは細い間口の先に、路線バスが走って行く様子を眺めている。休日の朝の光に包まれた街の風景は、どこかのんびりしている。小吃から眺める風景は、僕にとって初めての経験だった。初めての経験と言えば、彼氏も僕と一緒にいると時々初めての経験を強いられるらしい。今回も僕が「あれが食べたい!」とねだるので、初めて食べてみたよと笑っている。

薄甘くてさっぱりとしたレモンジュース。


焼麺。お好み焼きソースのような甘く濃いめの味付けでなかなかおいしい。


台湾式ハンバーガーは、不思議な味だった。アメリカ式ハンバーガーとの違いをなんと表現したらよいのだろうか……ああそうだ、アメリカ式ハンバーガーのネギはハンバーグの中に入っている。台湾式はネギの細切りと香草がハンバーグの外側にあって、それが不思議にアジア的な風味を醸し出している。パンズは包子のようなフニフニの柔らかさ。これは癖になるうまさだ。

ハンバーガーだけだと少しお腹が空いたかもしれないが、焼麺でちょうどいい感じ。機嫌良く小吃を出て、MRT台北駅からMRT新店駅まで地下鉄で移動した。

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