高岡蒼甫の騒動について

とりあえず嫌韓流の話は横に置いておいて。

高岡蒼甫の騒動で明らかになったのは、「公共と私企業の境界線」についてフジテレビを含めた媒体の立ち位置が曖昧であることだった。メディアから発信される情報は不特定多数の目に触れる。新聞・雜誌の言葉の暴力は問題だけれど、いまのところ、どの新聞社、出版社も1社独占にはならない状況。

ただし、テレビとラジオは、電波という限られた公共リソースを独占的に利用させてもらう以上、私企業とはいえ公共的に振る舞うことを求められる。不景気、スポンサー料の低下、視聴率の低下が番組制作費を圧迫し、その代わりに安くてそこそこ視聴率の取れる韓流ドラマを流すのは営利企業として当たり前だ、というテレビ局側の反論は、彼らにとってはあたりまえの理屈なのだろうが、公共性という点ではいかがなものか。

放送免許がどんな形式なのかしらないが、アメリカ大統領は就任するにあたって「(アメリカ合衆国の大統領という職務を忠実に執行し、できる限り最大の努力をして、合衆国憲法を維持し、保護し、守ることを誓います」と宣誓する。

だったら、放送免許も単純に自動継続されるのではなく、更新毎に事業計画の提出を求め、公共リソースを使わせてもらうことへの感謝と正しい利用への宣誓を求めても良いのではないだろうか。メディアが襟を正して事業を営む自覚に欠けていたからこそ、今回のような嫌韓、反フジテレビ騒動に繋がったような気がしてならない。

そう言えば、自民党議員が金浦空港で入国を拒否られて追い返されましたね。
あれもすごい話。

ところで「国際常設仲裁裁判所裁判官」ってのは、オランダ・ハーグにある国際司法裁判所の裁判官のことだという。あたりまえのことだが、裁判官は裁きを下す人間として予断を廃し、中立であることが求められる。これは法治国家の基本中の基本と言える。

「不必要な混乱を防ぎ韓日間の正常関係を維持するためには日本の国会議員が訪韓しないのが上策だ。それが日本の国益にもつながるだろう。あえて来たければ独島問題にどうこう言わずに静かに来て韓国側カウンターパートと深層的対話を交わす道があるだろう」

国際司法機関に所属する裁判官が、二国間の領土問題を視察するために「一応」友好国とされる国からやって来た公人に、「正常関係を維持するために来るな」と公言するのは、事故った高速鉄道車両を破壊して土に埋めた支那と同じくらい、度肝を抜かれるセンスだよ。韓国人は議論するまでもなく、自分たちが無謬に正しいと信じ込んでいるらしい。とても裁判官の言葉じゃないね。本当にびっくりした。やっぱり韓国ってのは、近代国家じゃない。

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【時論】鬱陵島に来ようとする日本の議員へ
2011年08月01日11時58分

日本の第一野党自民党の「領土に関する特命委員会」所属国会議員4人が8月1日から4日まで訪韓しようとしている。ソウルで韓国側カウンターパートと独島(トクト、日本名・竹島)の最近の状況について意見を交わした後に鬱陵島(ウルルンド)の独島博物館に立ち寄り、独島に対する韓国の実効的支配を視察するのが目的とのことだ。日本の代表的保守メディア産経新聞は彼らの動きを、「敵情を探る狙いがある」と書いた。日本語の「敵情」には、「相手方の動静」という意味もあり大きく気にすることではないが、それでも聞いて愉快ではないというのが率直な心情だ。

彼らが真に「敵情」を探るのなら鬱陵島の独島博物館ではなく独島に行かなければならない。それにもかかわらず、彼らが独島の実効的支配とは関係ない鬱陵島の独島博物館に行こうとする理由は何だろうか? 韓国の国内法上独島に行くには入島許可を受けなければならない。公人の彼らが韓国で入島許可を受けて独島に入ることになれば、それは独島に対する韓国の管轄権を認める結果になるためだ。

5月24日に国会独島特別委員会所属の民主党議員3人が事務職1人を同行して50分間にわたり「クナシル島」に行ったことがある。独島問題に対する戦略樹立に必要だというのが50分間の滞在の名分だった。クナシル島は日本人が「国後」と呼ぶ所で、日ロ間の領有権紛争がある所だ。公人の国会議員が領有権紛争のある地域に一方のビザを得て入ることになればその地域に対するビザ発給国の管轄権を認める結果を産むことになる。韓国国会議員らのクナシル島訪問に日本が激しく反発し、これまでその余波が消えないのはこのためだ。2001年に韓国漁船が北方4島近隣水域にロシアの許可を得て入漁すると日本がただちに北海道・三陸海域での韓国のサンマ漁を禁止したのも同じ脈絡だ。

いま韓国の世論は日本の国会議員らの鬱陵島行きの知らせに激昂している。日本の国会議員4人が鬱陵島の独島博物館を参観するといって独島領有権が棄損されるもののではない。それでも激昂する韓国人の情緒に対し日本人はいぶかしいと思うかもしれない。これは長い歴史を通じ韓国人の心の中に積もり積もったおりの結果で、この点を見過ごしては韓国国民の対日情緒を理解できないだろう。

日本人はよく36年間の植民地支配に対する謝罪で韓日間の過去が清算されたと考える。彼らは36年間の植民地支配に先立ち壬辰倭乱と丁酉災乱があり、長い歳月にわたる倭寇の略奪があったことを考えることができない。新羅郷歌にまで倭寇に対する言及があるのを見れば韓国は日本に対する歴史的被害者であり、韓国人の日本に対する情緒は数千年にわたった歴史の中で形成された結果といえる。これがきれいに消され正常関係を復元しようとするなら、非正常的な関係を成立させただけの歳月にわたる日本人の自粛がなければならないだろう。

今日「対国民外交」という言葉が広く知られるのを見ると、外交には政府間外交だけでなく国民間外交もあるということがわかる。いま韓国では大統領まで立ち上がり日本の国会議員の訪韓は望ましくないと言っているが、これが大統領まで出ることなのだろうか? それにもかかわらず大統領が直接立ち上がって懸念を表明するのは不必要な強情もしくは向こう見ずな血気で韓日間の「対国民外交」に破局が来る可能性があるためだ。

不必要な混乱を防ぎ韓日間の正常関係を維持するためには日本の国会議員が訪韓しないのが上策だ。それが日本の国益にもつながるだろう。あえて来たければ独島問題にどうこう言わずに静かに来て韓国側カウンターパートと深層的対話を交わす道があるだろう。

キム・チャンギュ国際常設仲裁裁判所裁判官

中央日報
http://japanese.joins.com/article/376/142376.html?servcode=100§code=140

2 件のコメント:

  1. はじめまして
    いつも楽しく、そしていろいろ考えさせていただきながら、拝見しています。
    国際常設仲裁裁判所は、国際司法裁判所とは別の組織だと思います。
    日本は長いこと、竹島問題を国際司法裁判所に訴えるための準備をしていること、そして現在の所長が雅子妃殿下のご父君であること、それに比べて韓国からはこれまで、国際司法裁判所の判事がいないことなどが、韓国側の情報としてあがっているのを見ました。
    ソースを思い出せなくてごめんなさい。

    旅行記を楽しみにしています。

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  2. > 飛鳥さん

    はじめまして。
    最近つまらなくなったと評判が悪くなるなか、ご覧いただきありがとうございます。ご指摘ありがとうございます。同じハーグにある組織のため、国際司法裁判所の一組織かと勘違いしていました。

    僕が驚いたのは、韓国は応じるつもりがないようですが、竹島領土紛争が国際司法機関に提訴された場合、当事国の人間が判事になることはないと思いますが、韓国人判事が法を遵守するよりも民族感情を露わにしたことでした。仮に逆の立場で日本人判事がコメントを求められたとしても、少なくともこれほど偏った発言はしないでしょう。韓国人は二言目には「戦争だ!」と叫びますが、遵法主義の土壌のない、学術的な論証なしの前近代国家だと僕には思えます。

    ちなみに、彼らの領土主張の根幹にある文献の「竹島は鬱陵島から見える」というのは真っ赤な嘘で、論客の自民党議員に検証されるのを恐れたのが原因だとか。鬱陵島から見えるのは他の島だとか。

    旅行記スタートは、もうしばらく時間がかかりそうです……スミマセン

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