北紀行 2012(4) 八甲田丸から ねぶたの家ワ・ラッセ まで

ねぶた団地を後にして、青森ベイブリッジの下を歩く。
海に面した遊歩道は青森ラブリッジと呼ばれているのだそうだ。
恋人と散歩するにはいい場所なんだろうな。
遠くに係留された旧青函連絡船八甲田丸が見える。





ラブリッジの上で、跳人の装束に身を包んだ少年とすれ違った。
赤い襷で袖をまくり上げて、そして身体の前にはたくさんの鈴を下げたボックスをつけている。土産物を売っているのだ。そのシャラン、シャランという軽やかな鈴の音が、耳に残った。青森から戻ってもう何日も時間が経ったけれど、目を瞑ると、いまでもあの音を鮮やかに思い出せる。

係留された八甲田丸の船尾を眺める。
かつてはここから鉄道を飲み込み、そして津軽海峡を越えて函館へ連絡していた。いまでは錆び付いてしまった鉄路と古い船体が、時代に取り残された寂しさを無言で語っているようだ。いまでもフェリーは青函の間を結んでいるのだけど。



僕は、ねぶたの家ワ・ラッセに向かう。入り口付近ではイベントが行われていて、津軽三味線のライブが行われていたりととてもにぎやか。ワ・ラッセに入ったのは、光が入った場合のねぶたがどんな風に見えるのか、どうやったらきれいに撮影できるのかあらかじめ予習しておきたかったから。「万一」本番で失敗したら、ここの写真を掲載したらいいやという下心もあって。でも、本番のねぶた祭りを目の当たりにして、僕はねぶた祭りの本質をなにひとつ分かっていなかった事に気づき、打ちのめされることになるのだけど。









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