北紀行 2012(11) 海上自衛隊護衛艦「きりしま」と「さざなみ」への道

函館駅前のバス案内所で、フェリー乗り場方面へ行くバスについて尋ねた。地図を見せながら「港町埠頭は『港小学校通バス停』と、『港中学校前バス停』のどちらが近いのか?」と尋ねたけれど、誰も分からない。15分ほど待ってバスがやってくるが、運転手も分からない。もう、現地に行って見るしかないと腹をくくってバスに乗った。

バスは大沼国道を走り、五稜郭の脇をかすめ、大野国道に入る。アナウンスにしたがって「港小学校通りバス停」で下車した。周囲は、工場地帯のような場所。錆びたバス停があるだけで、店舗なども見当たらない。走り去るバスの後ろ姿を見送って途方に暮れた。とにかく国道沿いに少し歩いた。すぐに跨線橋があって、そこをとぼとぼ歩いて行く。そして一番高いところから海の方角を見ると、灰色の塊とそそり立つ艦橋があった!

さて、護衛艦を見つけたは良いが、どうやったらあそこにたどり着けるのだろう。跨線橋を超えたところにパチンコ屋があって、その駐車場の向こう側の道路をクルマが波止場に向かって走っているような気がした。直感的にパチンコ屋の駐車場を横切り、その道路に立つと「港町埠頭」の標識を見つけた。あとは元気に歩いて行くのみ。。。。

というか、ちょっと考えてみれば分かるものだが、波止場ってのは遠いんだよ。歩いて行く場所じゃないんだ。しかも大抵途中になにもない場所にある。どう見ても護衛艦を見に行くにちがいないファミリーカーを横目に、ズンズンとかなり歩いて到着した。

護衛艦見学会会場に着いたとき、僕は思わず笑ってしまった。その大きさ、かっこよさ。そして海自の皆さんのイケメンっぷりに。白い制服に身を包んだかっこいい男たちにピッと敬礼されて、つられてグダグダな返礼してしまった。

イージス艦の中央制御室付近は、見学者は完全にシャットアウトされ、要所要所に案内兼見張り役の若い隊員が立っている。艦橋に登るために狭い階段を上がる。他に見学者がいないので「普段からこんな階段を走って上がり下りするんですか?」と尋ねてみたら、「この取っ手を掴んでこうやって降りるんです」とダダダダッとやって見せてくれる。デモンストレーションを終えたドヤ顔の彼に惚れちゃいそうになった。



















「きりしま」では興味深い話を聞き、体験をしたが、それは隊員さんと僕の秘密にしておくことにする。海の男たちはシュッとして、とにかく格好が良かった。

護衛艦「きりしま」と「さざなみ」の見学を終え、ふたたび陸に降り立ったら、少し雨が降っていることに気づいた。傘は持っていないし、歩いて「あのバス停」に戻るのも心許なかった。客待ちをしているタクシーを捕まえて、フェリー乗り場へ移動した。函館駅へ戻る路線バスの時間を調べたら、15分後に出発することが分かった。雨宿り代わりにフェリーターミナルを散策した。



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