僕が考えるネトウヨとは。

サミュエル・ジョンソンは「愛国心とは、ならず者の最後の砦である」(Patriotism is the last resort of a scoundrel)と言ったそうですね。

ここしばらく「『ネトウヨ』とはなにか?」って考え続けていました。

ちょうどSAPIOで「ネトウヨ亡国論」とか特集があり、それを読んでみた。
やっぱり微妙に違和感を感じる。
確かに論者の主張はそれなりに分からないではないけれど、ポジショントークだなぁと思わないでもない。低所得者のバカがネットで暴れている、だとか。ネットの都合のいい情報だけを繋ぎあわせて陰謀論を弄んでいるだけだ、とか。いま手元に引用元がないからこれ以上書かないけれど。

朝の通勤電車に揺られながらふと思いついたのは、これを単純にネトウヨ批判に援用するのは浅薄なのかもしれないと。ネトウヨ=愛国者という前提は、間違っているんじゃないかと。いや、ネトウヨは愛国者なんだろう。ネトウヨはグローバリズムに圧殺されそうになっている社会的弱者かもしれないし、近隣国の侵略に危機感を募らせる人たちかもしれないし、あるいは日本国を覆って剥がせない左翼的な何かに対して反発する人たちなのかもしれないし……結局いろいろな立場であることにはまちがいない。

ただ、いつ、どんな時代でも「デモ行進」に参加する人は、なんらか不安・怒りを感じている人たちだろう。それを「ならず者」で括ってよいものなのかと。

うーん

僕が思うに「ネトウヨとは、日本社会が目をつぶって先送りにしてきた諸問題・矛盾に直面して声を上げている集団」なんじゃないかと。もちろん、小林よしのりが指摘しているように「在特会」の乱暴な行動が「愛国無罪」で見逃されていいとは思わないけど。

ネトウヨって、欧州のネオナチ問題とはちょっと違うんだよな。あれは、移民排斥問題であり、その根底には移民によって職が失われること、宗教摩擦が高まること、犯罪が増えると考えられていることによる差別、社会保障費が圧迫されること(=福祉のフリーライディング)への反感、移民が政治力を持つことによる最終的な国体の揺らぎへの恐怖……あたりがあるんじゃないかと思う。

では、ネトウヨが愛国心を嵩に来て、あらゆる外国人を排斥しているか、と言えばそうじゃない。宗教的に寛容な日本は、むしろ外国人にとって住みやすい国の一つだと僕は思う。だとすれば、ネトウヨってなんなのだ?なにが問題なのか??

日本でネトウヨが姿を現すのは、「韓国問題」と「尖閣諸島に関しての中国問題」だけじゃないかと僕は思っている。フリーチベットを叫ぶ人たちがネトウヨと同じだとしても、チベット抗議行動自体はネトウヨとは言われない。

結局、ネトウヨ活動のほとんどは、反韓国・反北朝鮮、反在日韓国人・反北朝鮮人活動なんだろうな。

敗戦国となって、日本国が理不尽な要求を受け入れなければならないこともたくさんあったと思う。だけど、李承晩ライン、済州島四・三事件による虐殺とそれから逃れた韓国人の密入国者、その密入国者たちを「日帝に強制連行された」と嘘をついた民団、吉田清治・朝日新聞・福島みずほが引き起こした「従軍慰安婦強制連行問題」の嘘、そしてソウルで繰り返される狂気じみた日本人差別運動……これらの問題を「オトナの対応」という意味不明な指針の元、対応を放置してきた日本国政府と政権与党への不信が、ネトウヨの底辺にあるんじゃないだろうか。

朝鮮半島に対する政府、与党への不信。
朝鮮人の嘘に加担したマスコミへの不信。
日々、朝鮮半島から報道されてくる隣国人の狂気じみた侮蔑行為への反発。

この3点に対する反発がネトウヨであって、それは愛国者の憤怒に基づく活動と言うよりは、結局は「朝鮮半島問題」。「なぜ日本は、日本人を差別する朝鮮半島を放置しておくのか?」というネトウヨの素朴な疑問に答えを与えた大人、知識人、政治家はいままでいたでしょうか?いつも言葉を濁して、仮に日本人の過去が汚れていたとしても、それを正面から取り上げて説明してきた人がいたのだろうかと。あるいは朝鮮人の嘘を「お前たちは嘘つきだ」と正直に指摘してきた大人がはたしていたのだろうかと。

「法と正義」ではなく「情と(事実に基づかない)歴史解釈」でぶつかってくる朝鮮半島を日本政府が蹴っ飛ばさないから、いつまでたっても問題が解決しないわけで。

日本人は律儀というか、アホだから、約束は律儀に守る。
いや、思考停止して、惰性に流されやすいとも言える。
朝鮮半島問題も、尖閣諸島問題も、過去の密約・口約束を律儀守ってきたのは日本だけであって、時代の変化とともに「見直し」をかけて来なかったのは日本政府の怠慢だったんじゃないかなと思う。
約束は暴力的に破られる。
ソ連だって中立を破って満州になだれ込んできた。
イ・ミョンバクだって、密約を蹴破って竹島に乗り込んできた。
隣国は常に日本の隙を狙って喉元に食いつこうとしていることを、政府・国民がともに認識しないと。それが8月の竹島騒動の原因と結果だったのではないか。イ・ミョンバクの国内支持率低迷などは、本質的な問題ではないとぼくは思うよ。

そろそろまとめましょうか。

ネトウヨに失業者・経済困窮者などが含まれている可能性は多々あるでしょう。ネトウヨ行動を「階級闘争だ」と言う人もいる。
ただまあ、ネトウヨを「愛国心を嵩に来たならず者」と切って捨ててしまうよりも、「朝鮮半島問題」の解決を進め、ネグレクトされていると感じている人たちの救済に知恵を絞ったほうが、日本にとっていい結果に結びつくんじゃないかと思う。

その過程で、病的に嘘をつく人たちと戦う消耗を強いられるんだろうけどね。

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