曇りときどき雨パラつき。
重い腰を上げて上野まで出張ってきました。ってそんなめちゃめちゃ寒いわけでもないんですけど"ミュシャ展"と、新日曜美術館で紹介されていた"踊るサテュロス展"のふたつをハシゴしてきました。
まず、"ミュシャ展"へ。日本人に人気のある作家だけあってかなり混み合っていた。女性の比率が高い。会場の説明にも書いてあったが、特に女性に人気があるようだ。
ミュシャの描く絵は"わかりやすい"と思う。まず作家の出身がチェコなので、基本的には美人画だ。ゲイビデオでもチェコは美形の産地という評価がある(笑)ように、東欧は美しい人が多い。
次に顔立ち。描かれている人たちは、もはや死語だが"コケテッシュ"という言葉がぴったりのキュートな顔立ちが特徴。あんまりハデーな外人のおねーさんという感じではない。
色遣いはパステル調。優しい感じがする。アールヌーボーの時代なので、ツタや花が背景にちりばめられている。花を背負って登場という辺は、少女マンガの一コマと非常に似通っている。またビサンティン文化の影響か、モザイクがモチーフに取り入れられている。
日本人に人気のある最大の理由は、作品が"ポスター画"であることだろう。内なる衝動につき動かされて生まれてきた芸術作品に比べて、商業目的のために作り出されたポスターは、見る側にとってとてもわかりやすいのだ。
また、ポーズとか見ていると、ある種のデジャビュを感じる。たまたま前日に一条ゆかりの"デザイナー"を読んでいたせいもあるが、なんども"花の24年組"の作品に出てくる構図と重なるようにも見えるのだ。
この作家の真骨頂はやはりポスター画。その他の油彩はイマイチ。
さて、次に国立博物館に立ち寄って"踊るサテュロス展"を見に行く。東京国立博物館の表慶館……ここがまた半端じゃなく薄暗い展示場で、前 回国宝の吉祥天を見に行ったときもホラー映画さながらの暗さだった。サテュロスだが、実物はかなり大きなブロンズ像で、欠損部分がすべてあったらもっと迫 力があったに違いない。ミロのヴィーナスもそうだが、腕がないことがいろいろと想像の幅を広げる。サテュロスも同じで、肩から先が失われているおかけで、 むしろSexyに見える。
顔立ちは少年っぽい感じ。不思議とアジアっぽい感じもする。わりと下ぶくれにも見えて、とある角度では「ん?舞の海?」というふうにも見える。興味のある人はぜひ実物と対峙して判断していただきたい。
彼は頭部の一部を破損しているのだが、それが別の意味でそそられた。美しい男の中身にはいったいなにが詰まっているのだろうか?その中身は善か悪かそれとも空虚か?映画"イノセンス"じゃないけれど、美しいロボットも一皮剥けばどうなる?みたいな、興味半分恐怖半分の不思議な感覚を覚える。破損があるため、むしろいろんなことを想像させる触媒となる不思議な壊れ方だった。
帰宅途中に図書館に寄る。
待っていたアキハバラ@DEEPが届いていた。
さぁ読んでみよう。
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