ある職業舞踏家

晴れ。17.1℃/5.9℃/24%

昨日、今日とお通夜、告別式に参列して、気分は蒼く沈んだまま。
その職業舞踏家は、享年90歳。最後まで美しい人でした。

斎場の炉の扉がなめらかに下がり、その向こう側から空気が押しつぶされるようなくぐもった音が伝わってくると、これであの美しい人の姿が完全に失われてしまうことに軽く衝撃を受けて、僕はしばらく立ちすくんでいました。

年に1~2度お目にかかるだけでしたが「夢のような人だから、夢のように消えるのです」という歌詞のように、ふっと旅立ってしまいました。いいかげんいいお年でしたから、周囲は「大往生だ」「苦しまずに逝ってよかった」「最後までご立派だった」という声の方が多いわけですけど、別れの言葉もなく逝ってしまうのは、とてもさみしいなあと思いました。

彼女が亡くなって、うちの一族にはおじいさま、おばあさまと呼ぶ人たちはすべて鬼籍に入りました。そして自分の両親たちが「じいじ、ばあば」と呼ばれる立場に繰り上がったことを、僕は複雑な気分で眺めています。

祖父母と疎遠な人、大事にしなよ。
自分に無償の愛情を注いでくれる人なんて、人生に何人も出会えないのだから。

途中の乗換駅上野で見かけた桜とパンダ。
今年は桜の開花が5日、遅れているそうですね。

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