広島・松山旅行記(15) 明治の残り香

松山滞在2日日の朝、僕たちは寝不足のままベッドから這い出した。狭いベッドで押し合いへし合いしながら一夜を過ごしたわけで、寝不足にならない方がおかしい。ホテル滞在の時はダブルベッドを予約することにしているが、ビジホのダブルベッドは二人で寝るためのものではないね。「幅140cmのベッドなんてデブのシングルユースだろ!」と悪態つきながら食べる朝食。僕らは今後ビジホではツインを予約することに決めた。

荷物を預けて、松山城を見に行くことにした。勝山町は城の麓から歩いて数分。昔だったら侍たちが暮らしていて、一朝ことあらば馳せ参じるみたいな場所だったのだろうか。
途中、秋山好古、秋山真之兄弟の生家跡を訪ねた。まだ時間が早くて、敷地の中に入ることができなかった。塀の外から2人の銅像を眺める。松山は日露戦争勝利の立役者秋山兄弟と、同時期に正岡子規を輩出した場所だ。正岡子規、福澤諭吉、西周、森鴎外らがいなければ、海外の知識を日本語に取り込む事は出来なかっただろう。司馬遼太郎作「坂の上の雲」に描かれた、近代日本の国防と文学において礎となった3人は、天守閣を仰ぎ見る静かな場所で生まれ育った。




松山城へはロープウェイを利用して一気にアプローチ。袴姿の乗務員に「だんだん」と見送られて、僕たちは雲の上の天守閣に向かって歩き出した。





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