Earth ミュージック&エコロジーの気持ち悪さ

中島みゆきの紡ぎ出す曲は、たぶん名曲が多いのだろうと思う。
たぶん、と書くのは、僕は彼女に関心がなく、有名な数曲しか知らないからだ。

で、ここしばらく、宮崎あおいを含む女子300人が「Nobody is Right」を歌うCMをEarth ミュージック&エコロジーがオンエアしていて、その気持ち悪さに鳥肌立った。誰か一人が呟くように歌っているならばまだ救いがある。だけど、集団で歌うこと自体に、新たな「正義」の押しつけになる自己矛盾がある。制作者はその自己矛盾に気付かなかったのだろうか?

で、安倍政権の安保法制への反対として「争う人は正しさを説く 正しさゆえの争いを説く その正しさは気分がいいか 正しさの勝利が気分いいんじゃないのか」を担ぎ出したんじゃないかという説がある。

その陰謀説の正否はともかく、実を言うと安保法制の件で、保守派と『本当の「リベラル」』との間の飛び越えられない絶望的に深い谷に僕は呆然としていた。日本には本物のリベラルはごく少数か、ほとんど存在していないと思う。ほとんどが自称リベラルという、なにか別のものだから。

誰だって戦争の現場に行きたいと思っていない。
それは保守であれ、リベラルであれ、自衛隊員であれ。

安保法制で保守と自称リベラルが絶望的にかみ合わないのは、自称リベラルを仮に誠実な人々だと仮定しても、「騒乱・戦乱」に対する認識のレイヤーがあまりにズレ過ぎたところで議論していたことにあるように思う。
この話を洪水に例えれば理解できるかもしれない。植林を行い、治水をすれば洪水は減る。そんなことは誰もが分かっている。ただ、目の前に濁流が迫っている状態で「急ぎ土嚢を積み上げる体制を整えよう」なのか、「洪水の元凶を立つために植林をすれば良い。土嚢は必要なし」で言い争っていたのが、今年の安保法制騒乱だったと僕は思う。正解は、「土嚢を積み上げる体制を整えてから、植林を行う」であろう。

たぶん、日本は支那とぶつかることになるだろうと思う。支那が立ち上がる前に経済を崩壊させて動けなくしない限り。彼らは自分たちが生き残るために日本人を殺し、奪うことに躊躇しないだろう。だって、そうしなければ生き残れないのだから。

自分が生き残るために何でもすると決めた相手は強いよ。

「もし中国や韓国が攻めてくるなら、僕が九州の玄関口で、とことん話して、酒を飲んで、遊んで、食い止めます。それが本当の抑止力でしょう?」なんてのは、よほどの世間知らずか、自分の傲慢さに気付いていない愚かな発言。小さな教室の、小さな格差の世界しか知らない人間の言うことだ。彼らは自分たちが生きるために殺しに来る。その時に人権やら国連やらは、まったく役に立たない。自分たちの身は自分で守るしかないし、他人の力を借りるためにはそれ相応の付き合いは必要、ってのが安保法制。

Nobody is Rightを聞いていて、少なくとも例えば、ISのような宗教集団が「正義を説くことを慎めば」少しは住みやすい世界になるとは思う。もちろんキリスト教、ユダヤ教、その他あらゆる宗教が、人の痛みを慰めても、自ら先頭に立って導くことを慎めば、きっといまよりいい世界になる。民族主義の先頭に立っている者すべてが、正義を説くことを慎めば、少し生きやすい世界が実現するかもしれない。

この曲になにか真理を感じるところがあるとすれば、静かに慎み深く生きてゆくことだけが世界平和への最短距離って事じゃないかと思う。

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『Nobody is Right』 作詞・作曲:中島みゆき
Nobody is Right Nobody is Right
Nobody is Right Nobody is Right
Nobody is Right Nobody is Right
Nobody is Right Nobody is Right

もしもわたしが全て正しくて とても正しくて周りを見れば
世にある限り全てのものは わたし以外は間違いばかり
もしもあなたが全て正しくて とても正しくて周りを見れば
世にある限り全てのものは あなた以外は間違いばかり

辛いだろうねその一日は 嫌いな人しか出会えない
寒いだろうねその一生は 軽蔑しか抱けない

正しさと正しさとが 相容れないのは一体何故なんだ

Nobody is Right Nobody is Right
Nobody is Right 正しさは
Nobody is Right Nobody is Right
Nobody is Right 道具じゃない


悪い人などいないだなんて あいにくですが頷けません
正しい人こそいないんじゃないか 完璧正しいってどういう人だ
争う人は正しさを説く 正しさゆえの争いを説く
その正しさは気分がいいか 正しさの勝利が気分いいんじゃないのか

辛いだろうねその一日は 嫌いな人しか出会えない
寒いだろうねその一生は 軽蔑しか抱けない

正しさと正しさとが 相容れないのは一体何故なんだ

Nobody is Right Nobody is Right
Nobody is Right 正しさは
Nobody is Right Nobody is Right
Nobody is Right 道具じゃない

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