欧州のエスプリが溢れているのか!?
「僕にセックスを教えてほしい」
人気NO1のイケメン向井に、突然、性行為指南のお願いをしたのは、クラスでも変人と名高い勅使河原!!
いつも他人を凝視しているくせに、自分には目もくれない勅使河原に、密かに興味をもっていた向井。意外すぎるお願いに驚きつつも、求められるままセックスの手ほどきをすることに-!?
校内一モテ男×評判の超変人の肉欲から始まる恋!?
放課後に繰り広げられるヒミツのプライベートレッスン
お、おぅ。。そうかい。。。
変人勅使河原くんは、封建的なお金持ちの家で育った男子。親の庇護下にいる時分に色気づくなど言語道断と言われ、生まれてこの方女子と手をつないだ事もない。エロ本、グラビアも没収される。そんな勅使河原くんは、好みの人間を見つけると興奮して凝視してしまう体質になってしまった。
一方で、「顔が良くて、バスケ部のエースで成績はトップ10入りしている」校内一のモテ男向井は、勅使河原が自分を見つめてこないことが気になって仕方ない。まるで接点のない二人が、セックスを教えてほしいという1点で結びつく。
特殊な環境で育った天然ボケの子とのギャップがテーマの話は珍しくないが、ある種駆け引きなしのド直球の素朴さって僕は好きだ。この向井、勅使河原カップルも、身体から始まってしまった関係を、どうやって恋愛関係に持ち込もうかモテ男向井がグルグル悩むところが見所。向井は初セックスの直後「俺は勅使河原が好きだから」と伝えているのにね。
で、向井とセックスを経験した勅使河原くんは、ますますお弁当のソーセージをまともに味わえる気がしなくなってしまうのだ。
去年、少女マンガに属している「耽美マンガ」-「商業BL」-「同人BL」-「ホモマンガ」の図解をしてみた。自分的にはそれなりに理屈づけしたつもりだけれど、図示することで「境界線」をあえて曖昧にしたことを自覚はしていた。
直球ホモマンガと言えば田亀源五郎シリーズしかないのだけれど、あれかなり特殊なテーマを取り扱っているわけで、ゲイの間でも好き嫌いが分かれている。じゃあ、いい塩梅のホモマンガ、つまり絵柄とテーマのバランスが取れた男性作家が登場するとしたらどうなるか?
多分に個人的な好みが入るが、この「放課後エキセントリック」のような作品になるんじゃないかと思う。あまり少女マンガっぽくなく、いま流行の中村明日美子作品ではないような。ゲイを含む男性って、わりと写実的な絵柄を好むと思う。そして、女性が好むエロさと、ゲイが好むエロさのポイントは少しズレがあると思う。例えばこのセミヌードの扉絵がゲイ雑誌に掲載されていたら、けっこうウケるんじゃないかと思う。身体のパーツがいい塩梅に配置されていると僕は思うが。
1.絵柄
僕は好きだ。やや太いラインで構成され、背景の学校もちゃんと描写されている。そして向井、勅使河原それぞれの笑顔が良い。
2.ストーリー
すでに語り尽くしたとおり。高校生の青臭い青春グラフィティ。二人のグルグルぶりがなかなか良いと思う。高校生とメロンパンは鉄板か?
3.エロ度
量はそれほど。だけど、アングルが独特。雄っぱいの向こうの勅使河原の切なそうな表情にそそられる。向井のアレはかなり立派。同時収録作品はエロなしなので、エロ度評価はやや低め。
4.まとめ
「放課後エキセントリック」と併せて収録されている「6畳一間まかない付き」にこんな印象深いセリフがある。
「違う体になっていくのが嫌だったんだよ。
違うものを食べているのは昼だけ。
1日に摂取する食料の3分の2が一緒だもん。
この体とこの体はほぼ同じ成分で出来ていると思わない?
俺の髪の毛も、爪も、肌も、ヘモグロビンもミトコンドリアもみんなお揃い。
それって俺にとってはすごい事だったんだ」
同居しているカップルの醍醐味なんだろうな、こういうの。
絵柄 :★★★★☆
ストーリー:★★★☆☆
エロ度 :★★☆☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)