Is 'The Economist' a racist newspaper?

と、感じる記事があったので記録しておく。

「安倍氏率いる自民党の右派の面々は(またしても)、慰安婦に関する日本の責任を認めた1993年の政府見解を修正するよう求めている。帝国陸軍による売春強要に関する広範な歴史的事実が変わっていないにもかかわらず、だ。」

これね、イギリスのエコノミスト誌は日本人に対するレイシズムの感情を抱いているのだなあと思ってしまうわけだ。

今回問題視された朝日新聞の虚報は、事実をねじ曲げる、裏付け取材もせずに印象論で記事を書いてそれがでたらめだったことが批難された。

エコノミスト誌の主張は、『総数がおよそ20万人で、その4分の3が「慰安婦」として受けた蛮行で死亡』という韓国人の主張を丸呑みしているのではないか? 韓国と言えば、セウォル号の沈没で約250人の高校生が亡くなって蜂の巣をつついたような騒動になっている。同じ世代の女性が「強制連行」されたとして、20万人の縁者が抗議すれば軽く40万人以上の騒乱となり、朝鮮半島独立運動に突き進むくらいの事件になっただろう。でも、そんな記録はどこにもない。当時の報道にもないはずだ。朝鮮独立をめざす活動家との衝突はあってもだ。連行された20万人の従軍慰安婦と、その縁者からなぜ証言が取れないのか?なぜ当時の記録が残っていないのか。まともな判断力があれば、韓国人の主張には疑問符がつくはず。

それでも欧米人が「広義の強制性」と言うならば、いったん引いて調べ直してみてはどうか?

太平洋戦争中の慰安婦の扱いについて、結局みんながみんな印象論で語っているのが問題だと思うのだよ。欧米人にとって奴隷と言えば、大西洋三角貿易でアフリカから手鎖つけられてアメリカに売られた気の毒な人たちのことをイメージするだろう。言うまでもないが、アフリカ人奴隷の売買にヨーロッパ人が関わっていたことは歴史的な事実だ。また、韓国人が「従軍慰安婦はナチスのホロコーストと同じ犯罪」と言えば、クリスタルナハトのあと、強制収容所に閉じ込められたユダヤ人を連想するだろう。

だけど、ちょっと想像してみよう。
ビビアン・ウォードは性奴隷だったのか?
もちろんフェミニストあたりの視点からは、金持ちの男たちに性を搾取される哀れで気の毒な被害者奴隷、となるだろうね。もちろん、映画の結末が金持ちの男と巡り会ってハッピーエンドってことはどうでもよくて、彼女なりにしたたかに生きていたということが重要。そりゃあ売春などせずにセレブ生活出来ればハッピーだろうが、売春をどう考えるかは宗教・文化によってとらえ方は変わるが、割り切って仕事にしている人はいる。

金学順が証言しているように、彼女は親によって二度も売春宿に売られた。
親に売り払われたことはとても気の毒だと思う。
だけど、国家犯罪としての女性誘拐と、親と女衒が結託して発生した人身売買の問題は次元の違う話だ。金学順の親と、女衒がしでかした事件の責任まで、当時の日本政府におっかぶせるのはどうかと思う。人身売買の悲劇は過去にあったし、現在のアジアにもある。それは貧困から生じた悲劇だ。ところで、売った親の責任はなぜ問われないのか?

韓国には性奴隷にされた20万人の韓国人女性がいるという。
この問題が発生してから32年が経っていて、なぜ欧米のまともなメディアや研究者は韓国に入って活動家以外の女性に当時の事情をヒアリングしなかったのか。慰安婦を仕事にした人たちには、それぞれの事情があったはずだ。それもせずに日本人にレッテル張りするエコノミスト誌は、朝日新聞並みのレイシスト新聞だと認識されたってしかたないだろ?

この問題については、「実際のところ、当時はどうだったのか?」という冷静、客観的、かつ具体的な研究をしなければ正しい判断は出来ない。調査報道もせずに、紛争当事者片方だけの意見を元に記事を書く新聞は、ただのプロパガンダペーパーだ。

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日本のメディア:朝日新聞の醜聞

2014.09.26(金)  The Economist

(英エコノミスト誌 2014年9月20日号)

一連の誤報が、日本の有力紙に打撃を与えている。

一部の世界では、ジャーナリズムの教義の1つに、3つの事例があれば信頼できる記事になる、というものがある。日本の左寄りの有力紙で730万部の発行部数を誇る朝日新聞は、3度目の恥ずべき記事撤回の後、自社の評判を懸けて戦っている。

 朝日は9月14日、ゲーム会社、任天堂の社長とのインタビュー記事をでっちあげたことを認めた。8月と9月には、より重大な2つの記事を撤回している。1つは、戦時中に日本軍が「慰安婦」――売春を強要された女性――を利用していたことに関連する記事。2つ目は、2011年に福島第一原子力発電所で起きた大惨事に関するものだ。

 懸念されるのは、体制志向の大手日刊紙の中で最も主張の強い朝日新聞が今後、手加減するようになることだ。
慰安婦記事撤回の波紋

 日本の雄弁な右派は、朝日の恥を見てほくそ笑んでいる。保守派の雑誌は何カ月にもわたって、戦時中の性の奴隷のテーマについて朝日を叩いてきた。1980年代以降、朝日新聞は元帝国陸軍軍人の吉田清治氏の証言に基づく記事を十数本掲載した。吉田氏は1943~44年に韓国の農村部で、自分がいかにして陸軍の売春宿のために女性を連行したか説明した。

 吉田氏の説明はすぐに疑問視され、1997年に朝日新聞は同氏の証言を裏付けることができなかったと報じた。元朝日新聞特派員の水野孝昭氏は、当時、記者たちはそれが何を意味しているのか十分に分かっていたが、「読者には明確な説明がなかった」と言う。

 朝日新聞の上層部は、記事の作成に関わった記者がすでに退職した今頃になってようやく、真実を告白した。9月11日には経営幹部がテレビで謝罪した。編集担当幹部も解任された。その後、安倍晋三首相までが割って入り、朝日新聞は世界に向かって慰安婦に関する誤報について説明すべきだと述べた。

 安倍氏率いる自民党の右派の面々は(またしても)、慰安婦に関する日本の責任を認めた1993年の政府見解を修正するよう求めている。帝国陸軍による売春強要に関する広範な歴史的事実が変わっていないにもかかわらず、だ。

 福島第一原発での出来事に関する朝日新聞の誤報は、もっと微妙なものに見える。5月に同紙は、パニックに陥った作業員が命令に背いて、損傷した原子力発電所から逃げたと報じた。だが実際は、最近公表された第一原発の亡き所長の証言が強調していたように、作業員は単に指示について混乱しただけだった。

 任天堂のケースでは、朝日は任天堂の社長がオンライン上で語った発言の一部を、インタビューと偽って報道した。

 朝日の元編集主任は、朝日新聞はこれから、一連の醜聞から立ち直るのに苦労すると言う。同氏によると、さらに新事実が発覚するかもしれないし、多くの読者が購読を止める可能性もあるという。

 右寄りのライバル紙の読売新聞は、すでにこの機に乗じている。世界一の発行部数を誇る読売新聞(920万部)は朝日新聞の購読者に対し、慰安婦に関する朝日の誤報を列記し、購読を切り替えるための専用回線を知らせるパンフレットを配布した。

 朝日の罪は、新聞に対する信頼の最後の砦の1つである国で起きた。日本人は地元の政府関係者や裁判所、警察よりも新聞に大きな信頼を寄せている。このインターネットの時代においてさえ、主要新聞紙はまだ読者の郵便受けに届けられている。

 東京大学の林香里教授は、日本の国民は新聞を、国と社会に忠誠を尽くす存在と捉えていると指摘する。それが支配者層に対するメディアの従属を助長する。
他紙より大胆だった朝日、これから臆病になるのか

 それでも、朝日は他紙よりも大胆だった。同紙は長年にわたって、大きな政治スキャンダルを他紙より多く報じてきた。やみくもに記者クラブ制度を守ったわけでもない。記者クラブ制度では、メディア自身が、省庁や他の公的機関に対する他の(承認を得ていない)ジャーナリストのアクセスを制限することに一役買っている。

 今月、昭和天皇の生涯を記録した実録が公表された時には、国際的な関心が高いにもかかわらず、宮内庁は同庁記者クラブだけに資料を配布した。朝日新聞の慰安婦の記事も福島の報道も、記者クラブを頼ったものではなかった。

 これから朝日新聞はより臆病になるかもしれない。実際、一連のスキャンダルは、自己保身を気にかける典型的な日本企業や政府機関の上層部の行動を示唆している。

 朝日新聞が慰安婦の記事が間違っていたことを認めるまでにこれほど長い時間を要した大きな理由は、最初に記事を書いた記者が出世街道を歩み、権勢を振るっていたからだ。記者も結局は、役人とそう変わらないのだ。
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