ヤマジュンとか、チムドンドンほどのインパクトはないと思うのだが……。
今度、定広美香祭りでもやってみようか??
は、さておき。
最近の絵が巧い系BLの一冊”雪村せんせいとケイくん”をご紹介。
「ウツクシイ」と評判の、雪村せんせい。確かに、大変美しくてデキる男で……しかし、若干凶暴。ケイは、そんな先生に冷たくあしらわれても、それすら糧に先生に迫りまくっていた(笑)。次第に小出しに提供されていく、甘すぎる飴のような先生のデレに悶絶しながら、何やら元カレで周囲を固めて防御してくる――魅惑のヒトをオトすことができるのか!?
MdN2014年3月号で「少女漫画のデザインに革命が起きていた。」という特集があって、川谷デザインの仕事がフィーチャーされていた。少女漫画のカバーデザインと言えば、現在もなお古い時代を引きずっている白泉社のコミックスを連想するといい。額縁の中に主人公の写真が入っているような、葬式の遺影のような、あのフォーマットが主流だった。BLでも、青磁ビブロスのフォーマットは結構影響があったように思う。今でもBBC(ビーボーイコミックス)にその痕跡は残っている。
それに比べると、「雪村せんせいとケイくん」のカバーデザインは新しいなあと思う。一般コミックスに混じっていても遜色ないし(よい子が間違って手に取るのは問題だが)、こういう淡く繊細な色使いのデザインが増えてゆくことは、すごく良いことだと諸手を挙げて歓迎したい。
で、本編はタイトルになっている「雪村せんせいとケイくん」と「シメコロシノキ」の二編が納められている。カバーと同様に、本編も端正な画風で描かれている。
27歳の美しい雪村先生にあこがれる大学生のケイくん。ケイくんはお約束通りゲイじゃないようで、むしろキャンパスでは女の子に囲まれているリア充組。3ヶ月ごとに彼女がローテーションする、半年前まではそんなヤツだった。そんな彼の姿を研究室の窓から眺めている先生。研究室といえば、ケイくん以外にも元彼が入り浸っている。
年下のケイくんに迫られてワタワタしてしまう雪村センセ。
腐女子のみなさんはさ、こんなふうにワタワタしてしまうツンデレな男の表情とか見たいんだろうなあと思う。手を伸ばせばわりと手に入るものなのに、二次元に投影されたそれだけで満足してしまっているのはもったいないな、と僕は思うが。
元彼とバイト先に飲みに来ている雪村先生を見て、「攻略方法がわかんねっつか、こんな余裕ないの初めてで……」と苦悩するケイくん。モテるイケメンがぐるぐるしちゃう様を楽しむのは、少女漫画に近い感覚。
実写化されるとしたら、雪村先生は若い頃の福山雅治……ケイくんは誰だろうね??
「シメコロシノキ」は……BLで子供と動物を使うのはやめなさいって。
無条件で感情移入しちゃうだろう!
もう、バケツの隣でしゃがんでる子供なんてやめてー (;_;)
子供をこんな風に描写できる作家は、かなりポテンシャルがあると思う。
1.絵柄
うまい。文句なく。
洗練された端正なスタイルというのはこういう作品のことを言うのだろう。
2.ストーリー
「雪村せんせいとケイくん」はわりと王道のBLなので、ストーリーに捻りはない。ワタワタグルグルするカップルを楽しむだけで十分。「シメコロシノキ」は悲しい子供時代の記憶、義兄弟、依存と独占欲が絡み合ってて深い話。こちらの方が読み応えがあるだろう。単行本化するにあたってタイトルを「シメコロシノキ」にはしづらかった事情があるのでは??
3.エロ度
朝チュンに毛が生えたレベル。BL初心者向け。
4.まとめ
手触りの良いBLマンガ。
初心者でも手に取りやすい敷居の低さが、マーケティング的勝利なのかも。
買って損はないと思う。
絵柄 :★★★★★
ストーリー:★★★★☆
エロ度 :★☆☆☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)
0 件のコメント:
コメントを投稿