横倉旅館 - 戸隠高原とおわら風の盆

木曽福島を出て、伊那ICからふたたび中央自動車道に乗る。
カーナビのエスコートに従い信濃町ICで高速道路を降り、緑の深い信濃信州新線を走る。事前知識がないままこのルートを走ったが、目的地付近で戸隠神社奥社入り口の前を通過する。「奥社」という名前の通り、目的地「中社」の先にあるものとばかり思っていた。少し驚いた。

彼氏と旅行するときはグダグダしていたいのでリゾートホテルに滞在する。それ以外の場合、僕は宿泊費をグンと削る事がある。今回は宿坊で、かつ国民宿舎という横倉旅館に滞在した。中社鳥居から歩いて2分ほどの場所にある、蔵と茅葺きの門を持つこぢんまりとした宿だった。




建物は古い木造家屋。
乱暴に歩くと窓や床がビリビリ震える。
僕は亡くなった祖父母の家を思い出して、妙に懐かしかった。

「じゃらん」では、ハンドタオル、バスタオル、歯ブラシは有料と書かれていて家から持参したが、チェックインして部屋に通されると、ハンドタオルと歯ブラシセットは提供されていた。

食堂で、僕らを入れて6組の宿泊客がいることが判った。
ひとりで百名山登頂をめざしている人。
青森からワゴン車に乗ってきた6人組の登山グループ。
家族連れと、そして分厚い本を抱えている女性がひとりなど。




食事は家庭料理の延長だったが、心がこもっていた。
ご飯の炊き方がとても上手だった。
地元のロゼワインをグラスで頼む事が出来る。
やさしいアルコールに誘われて、21時頃から就寝してしまう。

翌日、「喫茶十輪」と名付けられた蔵でコーヒーを飲む。
戸隠の天然水で淹れたコーヒーは、添えられた杏のお菓子とあいまって、とてもまろやかだった。喫茶店を切り盛りしている女性と、戸隠高原について話が弾む。ここは冬になるとかなり雪が積もるという。そしてとても寒いと。それでもここは魅力的な場所なのだろう。

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