戦争と平和

仕事を終えて、帰宅途中の電車に揺られながら、瀬戸内寂聴氏の発言を見かけた。
ちょっと考えさせられた。
で、思った。

「平和のために、憲法改正すべきじゃないのか?」と。

瀬戸内寂聴氏の発言は以下の通り。

「細川さんが今度の選挙で勝つことができれば、国を変えることができると思います。
『脱原発だけを都知事選で言うのはおかしい』という声がありますが、私は争点が『脱原発』一つでもいいと考えている。脱原発ができれば、他のことだって何でもできますよ。

このまま国が安倍さんの考えで進んでいったら、大変なことになる。安倍さんは原発の再稼働だけではなく、憲法を変えて戦争のできる国にしようとしています。それは絶対あってはならないことです。

私は91歳で戦争を経験していますから、戦争で亡くなった人に対して申し訳ないという気持ちはずっと持ち続けています。だから戦争に向かおうとしている政府には反対ですし、若い人や子どもたちにそんな国を残すわけにはいかない。
その思いで、こうして細川さんを応援しようと思っているのです」

発言の前段は、正直、ご老人の空回りの意気込みと苦笑させられたが、後段を読んでちょっと考え込んだ。瀬戸内寂聴は、僕の中では左翼的文化人としてクラスタリングされている人。彼女が意見表明するときに連なっている人たちの顔ぶれを見ると、まあ左翼だろう。ただし、彼女は、支那・朝鮮のような日本の国力を削ぐために自衛隊の存在を否定している勢力とは異なるのではないかと僕は考えている。その勢力と近い場所にいるかもだが。

「憲法を変えて戦争のできる国にしようとしています。それは絶対あってはならないこと」と彼女はいうけれど、日本は基本的に右翼・左翼、保守・リベラルともに平和を希求していることは間違いない。幸いなことに日本は軍産複合体に突き動かされている国ではないから。日本の保守は、米国のネオコンのような軍産複合体の走狗ではない。

となると、同じく平和を希求する保守・リベラルは歩み寄れるんじゃないか。
結局、両者の差は、軍隊を必要と考えるか、「戦争」をどうとらえるのか、だけだ。

保守派は、非武装状態で国土と国民を守ることができるとは信じていない。
リベラル(左翼?)は、軍隊こそが戦争の原因で、非武装無暴力で平和が達成できると信じている。

僕の立場は保守派ですから、非武装無暴力で国土と国民を守ることができるとは信じない。支那共産党という帝国主義的暴力集団の脅迫を受け、現実的に国土を浸食されている現実を見ていれば、「話せば分かる」という左翼の主張はリアリティがない。併合され民族浄化の被害に遭っているチベット、国土を大幅に削り取られたブータン、南シナ海での領土侵略という現実を見ても、支那共産党を平和集団だというならそいつはペテン師だ。

だけど、瀬戸内寂聴らの「戦争反対!」という悲鳴のような主張も分からないではない。

戦争をどうとらえるかだけど、左翼の人たちは「戦争=日本国の軍隊が他国を侵略すること」だと定義しているようだが、原理主義者でもない限り「日本が他国の軍隊に侵略され、それを排除するための行為(=戦争)」まで否定していないと思う。

結局、それは「集団的自衛権」と密接に絡んでいるわけで、極論すると左翼の言ってる戦争反対は「日本単独で他国を侵略することは反対。それから米国のおつきあいで戦争に巻き込まれるのは反対!!」ということだ。「日本単独で他国を侵略することには反対」には、保守派の同意もとれると思うが。

ここからがたぶんややこしいのだが、つまり左翼は反米なのである。そして、戦争反対の反米勢力のほかに、日本と米国を引き離して、日本の国力を削ぎたい支那、朝鮮、共産主義勢力、社会党勢力が呉越同舟で騒ぐ。

だからこそ、憲法改正が必要なんじゃないか?

日本は軍隊を持つ。
ただし国土防衛のために使う。
他国侵略は行わない、占領地統治をやる気がないんで。
ケンカは売らないが、売られたケンカは必ず買う。ボコボコにしてやる。
きっちり憲法に記載する。

そして日米安全保障を含む安全保障条約では、互いに相手国の領土を第三国に侵略された場合には、集団的自衛権を発動して戦う。ただし、互いに第三国を戦場にした戦争には適応しない、とか。ここは相手あってのことなので難しいと思うが。

左翼の方々がPKOや、国連軍の参加に反対しているけれど、一つ提案があって「国連憲章の敵国条項が撤廃されない限り、国連軍への参加はできない」という問題提起はありだと思う。国連の安全保障理事会を見てると、ほんとダメな組織だと思うし。

どちらにせよ、国土と国民の安全を確保するためには一定規模の軍事力は必要。
その上で、軍事力の行使についての条件付けと適用範囲を憲法できっちり記載する。
そうしたら保守とリベラル、右翼と左翼の不毛な罵りあいを止めらるんじゃないかね。

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