弘前市内を散策 2013年東北紀行 12

斜陽館からスカイラインを飛ばして弘前市内に戻ってくる。
往きとまるきり同じルートだったので、気分的には早く戻ってきたような気がする。

疲れたので昼寝をしたいという父親をホテルに残し、僕と母は弘前市内の散策に出かけた。
弘前を訪れるのは2006年の子供の日以来で、しかもあのときは弘前城の桜祭りしか見ていない。お化け屋敷とか、見世物小屋があってビックリしたけれど、すぐに奥入瀬温泉を目指して移動してしまったのだった。

ホテルフロントでもらった地図を頼りに、少し遅めのランチを食べることにした。土手町にあるpizzeria DA SASINO でピッツアとサラダを楽しんだ。こんな言い方は失礼だと思うけれど、鄙には希なクオリティのピッツアだった。モチモチとした不思議な食感の石焼きピザに、自家製のモッツァレラチーズがたっぷりとのせられている。思いがけずいいお店に当たって、疲れていた身体に元気が戻ってきた。


pizzeria DA SASINO を出て、土手町通りを弘前城方面に進む。
途中の薬局の"サトちゃん"には、ハネトの花笠が被せてある。
案外似合っていて、これも地元ならではの遊び心。


坂を登り切ったところに有料桟敷席が作られている。
通りの反対側にねぷた小屋があった。
僕らのほかに観光客の姿はなく、「よろしかったら見ていってください」と警備員さんに招き入れられねぷたと対峙。





青森のねぶたがディズニーランドのフロートのような進化を続けているのに対し、弘前ねぷたはおどろおどろしさを残した、原初的な力強さを残していた。子どもは怯えるかもしれないけれど、闇の中に浮かび上がるねぷたは、ひどく幻想的なものになるだろうという予感めいたものがあった。
ねぷた小屋に詰めているスタッフの数も少なく、真空地帯のような静けさに包まれたその空間は、地方都市特有のぼんやりとした眠気を呼び起こす。

 ねぷた小屋に礼を言って去り、弘前城の天守閣に上る。

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