雛祭りと赤ワイン

雨。8.2℃/5.0℃/87%

今週は雛祭り。3月末に結婚が決まっている妹と過ごす最後の雛祭りということで、一足早く食事をしようかという企画が持ち上がった。

 どういうわけだか、先週末に"長命寺桜もち"を食べてしまった。今週もまた桜餅というのもなんだろう……ということで、デザートの調達は僕の仕事となった。
雨で、寒いのに……と空を見上げつつ、Bunkamuraへ絵を見に行く予定をキャンセルして銀座に向かいました。行き先は"文明堂カフェ"。前々から気になっていた"特撰五三カステラ"を買いに。夕飯は和食だからデザートにはよろしいでしょう。金色の包み紙が、なんかとてもありがたみがあるような気にさせますね。

その足で銀座三越を冷やかしたあと、有楽町を抜けて丸の内へ。

休日出勤しているであろう上司にゴマでもすっとくかとオフィスをのぞいたら……いないでやんの(苦笑)。仕方ないので、たまっていたメールを片づけていたら上司現れる。ラッキー、無駄足にならなかったじゃん!ってわけで、30分ほどお仕事を手伝って17:00には退社。このまま帰るのもなんなんで、ビックカメラを冷やかしていたら、ワインを買って帰ることを思いついた。お祝いだもんな~。

お祝いといえばワイン。お祝いのワインといえば赤。赤と言えばフランス。フランスといえばボルドー……くらいの知識しかないんですが。正直、僕は赤ワインの渋みと重さが苦手な方で、ドイツワインの白を日本酒の冷やの感覚でツツーと飲んじゃうという教養のなさを露呈しております。でもなー、別れの雛祭りはやっぱり赤でしょう。ということで……。

しばらく迷いましたが、赤が苦手な人でもいけそうなワインを選びました。

"ECHEZEAUX Grand Cru 2002 Jacques Cacheux"

自宅に戻って、まずコルクを覆っているアルミ箔をはがすと、芳香がやわらかに立ち上がってきて「ん~ちょっといいかも」という期待が高まります。グラスに注いで立ち上る香りをかいでみると華やか。口に含むとやや渋みを感じさせるけどピノ・ノアールの軽やかな味わいが、僕の抱いていた赤ワインへの偏見を覆してくれて爽快だった。こういう赤ワインだったら僕は好きだよ。

そのあと濃厚な五三カステラをいただいて晩餐は終了。

そうそう。
Bunkamuraの絵画展をキャンセルしたのは、これはポーラ美術館展で、目玉のモネの"睡蓮"とピカソの"アルルカン"は箱根ですでに対面済みというせいもあった。

絵について語ってくれた人に「あなたは印象派が好きなのか?」という問いかけをされたことがある。そのとき僕は回答を持っていなかった。セザンヌの静物画について語られても僕にはピンと来ない。なぜだろう……って。

今朝シャワーを浴びていたとき、髪をすすぎながら自分の好きだと思う絵をとりとめもなく頭の中で並べてみた。そのときわかった。僕が好きな印象派の絵画の多くに共通しているのは青空。そして青空だけじゃなくて、必ず"風"が描写されていること。青空だけじゃダメで、どうやら風が含まれていると喜ぶらしい。今日見つけた発見の一つ。

"モネ夫人と息子"。この絵の前に立ったとき、画家の目の前に広がっていた光と空気が僕にも押し寄せてきて、連れ去られそうな感覚に陥ったよ。その日は何度泣きそうになったかな。生きててよかった~って(笑)。それくらいのインパクトがあったのさ。

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