言葉のチカラ

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「言葉は
感情的で、
残酷で、
ときに無力だ。
それでも
私たちは信じている、
言葉のチカラを。
ジャーナリスト宣言。朝日新聞」

通勤電車に乗り込んで一息ついたあと、このメッセージが目に飛び込んでくると、
僕は少しとまどう。なんてデリカシーのない言葉の羅列なんだろうと。

言霊ではないが、良い言葉は幸運を呼び寄せるし、悪い言葉は不吉を招く。一つの言葉の意味を取り上げた場合でも、それには陰陽の要素がある。言葉から悪い意味を汲み上げて並べれば、それは暴力にもなりうるし、良い意味を意識して使えば、それは暖かいものになる。

経済学の世界では「ヒト、モノ、カネ」とカタカナな並べる場合がある。
それはそれぞれ本来の持つ意味を殺して、単なるパラメータとして扱う場合だ。

「言葉のチカラ」……朝日新聞の人間はどんな"力"を念頭に置いてこの言葉を選んだのだろう?僕には前後の文脈を含めて、自己陶酔に陥った人間と組織のマス ターベーションとしか響いてこない。崩れ落ちたWorld Trade Centerに添えられたこのメッセージ。あなた方はこれに匹敵するほどの破壊力を持った危険な存在なんだ。メッセージからは自分たちが手にしている巨大な"力"に対する、畏怖の念が一片も感じられない。このクリエイティブにGo!サインを出した責任者の、恐ろしいまでの想像力の欠如に僕は薄ら寒さを感じるのだ。

このメッセージからは自己陶酔に陥った人間達の「言葉の(暴)力を押し通すぞ」という宣言しか伝わってこない。恐ろしいことだと思う。労働組合の機関誌のつもりではないのだろう?恥ずかしい寝言は早く引き下げた方がいい。他者に対する温かい視線がなくてジャーナリストが務まると言えるのか?

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