大阪にて(1)

今年最初の週末は、大阪にいた。
もともと東京で彼氏を迎える予定であったのだけど、いろいろトラブルがあって、じゃあ僕が関西へ行くよと新幹線に乗った。連休前から腰が重くて「なんか骨が詰まっているような気がするー」と周囲に漏らしていた。のちにそのまんま原因を言い当てていたことを知ってひとり苦笑したのだけれど。

痛む腰、力の入らない太股と痺れる左下肢を抱えて、僕は西へ向かった。

東京駅の新幹線ホームは、いつ来ても勇気をもらえる。
電光掲示板を見ながら慌ただしく行き交う人、大きな荷物を抱えた外国人たち、東京ばな奈を買い求める人、弁当とビールを買い込む人、その間を清掃員たちが秒刻みで働いている。新幹線がちゃんと運行している間は、日本は大丈夫。いつもそう感じてる。


今回はギリギリに予約を入れたのぞみで16号車。
一番東京寄りの車両まで移動するのは左足がきつかったけれど、写真は撮れて満足だ。
乗車してまもなく眠り込んでしまい、三島を過ぎた頃に目覚めた。
富士山が見えて、ご機嫌になる。


大阪梅田で元同僚と待ち合わせる。
グランフロントが出来てから、梅田の景色は一変してしまった。
「阪急梅田駅のビッグマンの前で待ち合わせな」というメールに見ながら、REMOWAのキャリーバッグをゴロゴロと引きずって歩く。ビッグマンっていったいなんだろ?? 梅田駅へ続く歩道は春の日差し特有の透明感のある明るさに包まれていて、でも十三筋の上を渡ってゆくときは冷たい風が吹き付けてきた。できる限り階段を避けて、エレベータとエスカレータを探す。身体が不自由になるって不便なことなんだなーと呟きながら。

ネギ焼き屋のカウンターに座って、僕らはとりとめのない話をした。
彼女と会うのは4年ぶり。お互いそんなに境遇は変わったわけではないらしい。
話題のほとんどは思い出話と、共通の知人の噂話くらい。
とりとめのない話をしている間、シュッとイケメンなお兄さんが焼いてくれたネギ焼きからはソースの焦げる香ばしい香りがして、関西に来たなあと、おばちゃんたちの口から西のイントネーションが溢れるたびに、関西に来たなあと、やけにうれしかったことを思い出す。

タクシーを使ってホテルに荷物を下ろし、僕らは阪神電車で西へ向かう。
「まぐろの置いてある神社に行ってみたい」
「あー、西宮のえべっさんか。いいよ、いいよ」
彼女に先導され、阪神電車に乗る。
ちらっと甲子園を見たときはうれしかったなあ。高速道路に遮られていたけれど、少し陰ってきた冬の光の中に伏せっている大きな犬をみているようで。

西宮駅ホームに足を下ろしたとき、少しよろけた。
足に力を込めて、気をつけていたのに。

3 件のコメント:

  1. 遅ればせながら、coolさん、今年もよろしくお願いします!
    来阪されてたんですねー。
    その後、足の調子はどうですか?
    ご無理されませんように!

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    1. > コガさん
      こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
      4年ぶりの梅田は様変わりしていてびっくりしました。
      元気になったらあらためてふらふらしに行きたいです。

      腰の件は整形外科に行きました。
      痛み止めを飲みながら、しばらくリハビリ(?)になりそうです。

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  2. 確かに、4年ぶりだと梅田の変化には驚かれますよね。
    またゆっくりおいでくださいませ。

    腰がダメだとほんとしんどいですよね。
    わたしは股関節からくる腰痛に悩まされてましたが、ストレッチをしてくれる整体を見つけ、なんとか持ち直しているところです。

    旅を楽しむためには、健康第一ですからね!
    お互い身体は労わりましょう・笑。

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