大阪にて(2)

ホーム前方の階段を下りると、西宮神社へ向かう人が川の流れのように続いていた。
高架線に沿って露店が連なっている。その間を歩く。
はしまき、クロワッサン鯛焼きは関東では見たことがない。
朝鮮系露店が減ったのは関東と似た状況のようだった。
トッポギだの、ヤンニョムチキンだの、正月の神社の神域には似つかわしくなくて、数年前までアレはどうにかならないものだろうかと思っていたんだが。

赤門の前からは入場規制。恵比寿様は商売の神さまだから、集まっている人たちも妙に活気があるというか、儲ける気満々な感じが溢れ出しているというか。僕らは露店の建ち並ぶ参道をのろのろと進み、そして神社本殿の前で僕らは迷わず「マグロレーン」に並ぶ。マグロを選ぶとさらに列の長さは伸びてしまうのだけど、ここまで来てマグロ抜きはあり得ないでしょうと言うことで。



マグロは……予想通り生臭かった。

鯛神籤を引いて、彼女は福笹を買い、甘酒を飲んで西宮神社から撤収。
彼女を梅田駅まで送って別れた。

晩ご飯を食べにふらふらしたかったけれど、左下肢の痛みは耐えがたくなってきた。強力な鎮痛剤を買って飲んでみたけれど、あまり効果は感じられない。晩ご飯はコンビニでおにぎりと氷結を買って帰った。美食の街大阪にいるのになあ。大阪市内を一望する最上階フロアの部屋に泊まりながら「なにやってんだろオレ」とか思ったよ。

痛みはだんだん強くなって、マッサージを頼んで揉んでもらったけれど、あまり効果は出ず。仰向けになっても、俯せになっても、引きちぎられるような痛みに「痛い、痛い、イタイー!!」と叫び、ベッドで転げ回った。幸い、薬と酒で意識がもうろうとする瞬間があって、そのタイミングに飛びついて眠りに落ちた。

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