五所川原から新青森への移動は、鉄道から路線バスに切り替えた。
川部での乗り換えがめんどくさかったのと、津軽平野を走って行くバスはなんかイイ感じじゃないかと思ったからだ。どこから見ても田舎のバス待合所といった風情の建物が駅前にあった。このご時世にエアコンなしの窓開けっ放し。暑くて仕方ないので、津軽鉄道の駅舎を眺めに行ったりで時間を潰した。
金魚ねぶたには、いつでも愛を感じるなあと。
定刻に現れたのは、本当の路線バス。後のドアから乗って、前のドアで精算するアレだ。観光バススタイルの車体が来ると勝手に思っていたから、度肝を抜かれた。エアコンはついているので文句は言わない。バスは1時間ほど走って新青森駅に到着した。
旅の締めくくりに、はやぶさグランクラスを予約しておいた。
どんな体験が待っているのだろう。
プラットフォームに上がると、はやぶさが2編成停車していた。
このロングノーズの先には青函トンネルがあり、そして北海道へ続いている。
透明感のある真っ青な空が、なんか愛おしかった。
グランクラスには専任の客室乗務員がいて、ドアの前でチケットの確認を行っている。ちょっと車内を撮影したいとかいうリクエストはできないようだ。
車内は2-1のシート配列。
ゆったりとした感じは、国際線飛行機のビジネスクラス位のクオリティだと思う。
座席の肘掛けに飲食メニューが刺さっている。
定刻通り出発すると、客室乗務員が食事のチョイスを尋ねてくる。
和軽食か、洋軽食のいずれか一つ。いずれかと書かれているのは、両方食ったヤツがいたからだろう。
飲み物はビール、ワイン(赤・白)、日本酒、シードル、コーヒー、緑茶、ハーブティ、アップルジュース、ダイエットコーラ、黒烏龍茶、ミネラルウォーター。
おつまみと茶菓子が供される。
僕は和軽食とシードルを頼んだ。
彩りの美しいお弁当で、味付けも上品。
そのあと、ワインは小ボトルで提供され、赤・白両方を飲んでほろ酔い加減。
八戸を過ぎる頃にはウトウト眠ってしまった。
盛岡駅でははやぶさと秋田新幹線こまちの連結作業を見学。
なにせ10号車なので、ドアを出たすぐそこで作業が行われる。
1号車の人が息を切らせて到着する頃には、こまちがスルスルと近づいてきてガッチャンコ。すぐに出発する。
グランクラスはワゴン販売が来ない。
仙台を過ぎた先で、アイスクリームが食べたくなったので、客室乗務員に買ってきてもらう。烏龍茶とアイスを完食したら、強烈に眠気が襲ってきて、そのまま大宮までぐっすり眠った。ねぶた祭りで疲れがたまっていたのだろうが、グランクラスの快適さは癖になりそうだ。JRのねぶた祭りツアーだと往路に設定されるグランクラスだが、絶対に復路の方がいいと思う。疲れの取れ方が全然ちがう。チャンスがあったらまた乗車したい。
今年、彼氏を連れて人生最後のねぶた祭りを見に行く。
とりあえずホテルの予約は取れた。
条件の良いホテルを探し続けるが、一応会場から歩いて数分の場所だから文句はないだろう。彼氏が喜んでくれると良いな……それが僕の願いだ。