BL漫画レビュー:束原さき『Power Snow Melancholy』(パウダースノーメランコリー)

表紙買いしてみた。
何となく予算がかかっているような匂いがしたから。

大学のミスターコンテストをきっかけに知り合った梁井と成川。
性格も含めて2.5枚目の梁井にとって、正統派イケメンの成川は天敵そのもの。
お目当ての女の子はいつも成川になびいてしまう。

あからさまに成川を避けていた梁井だったが、ナンパ目的で参加したスノーボード合宿で、成川と急接近するアクシデントが発生してしまい…。


〆を「!?」にしなかっただけ褒めてやる。(w

内容的にはこれ以上でもこれ以下でもない。

1980年代後半の日本。
バブルの栄華に酔いしれ、松任谷由実のブリザードに洗脳された民草が、そろって板を担いでゲレンデに向かった時代。あの頃のサンシャイン60のバスプールから、大学生がすし詰めになって長野へ送り込まれていた光景を思い出す。「私をスキーに連れてって」なんて、もろタイアップにしか見えない映画が大ヒットしてたっけ。「オレたちが時代をリードしているんだ」なんて広告代理店が錯覚できていたのが、この時代だった。

「ゲレンデで恋をしよう」なんて電通あたりのクサイキャッチコピーがリフレインしそうな設定が、なにかものすごく色々とデジャビュ感があるなあ。

簡単に言っちまうと話は大きく2部に分かれていて、前半はゲレンデで気持ちと身体が繋がってしまうまで。後半はそもそも二人が出会ったミスターコンテストの話。成川が梁井のことを好きになるまでが、わりと長く描かれている。



絵柄は今風。
途中のエピソードはほとんど捻りなし。
これで良いのだろうか???

梁井はよくありがちな大学生らしい「不安」を吐露している。
そうだよなあ、ノンケがゲイの道に走るなんて不安で仕方ないだろうなあと再確認したのが今回の収穫だったのかも。

1.絵柄
今風だが、記憶に残るコマがない。

2.ストーリー
ミスターコンテストのグランプリと準グランプリをゲレンデに置いてみました、そんだけ。包帯のエピソードが唯一の捻りっちゃ捻りだが、ストーリー的にあまり特筆すべきところはない。

3.エロ度
まあ、ぼちぼち。

4.まとめ
少年マンガが職業ものへ突っ走っていったように、BLもほわんとした恋愛ネタじゃ腐女子・腐男子の期待に応えられない時代が近づいているのかもしれないなあ。

絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★☆☆☆☆
エロ度 :★★☆☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

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