ティフィン・ルームでハイティー (タイ・シンガポール旅行記)

僕たちがラッフルズホテル内のアーケードをうろうろしたり、Long Barでだらだらと時間調整していたのは、ティフィン・ルームの開場を待っていたからだ。旅の終わり、シンガポールの午後をのんびり過ごそうと彼氏が欧州からアレンジしてくれたのだ。開場近くになると予約客たちで行列が出来、僕らも並んで開場を待つ。

入り口で予約を確認され、それぞれのテーブルに通される。白いテーブルクロスが掛けられ、白い陶磁器とよく磨かれたカトラリーがそろえられたテーブルがずらっと並ぶ光景はなかなか壮観。三段トレーが運ばれてきて、そして紅茶のチョイスを尋ねられた。満席の会場テーブルを給仕たちが忙しそうに飛び回る。三段トレーはお代わりも可能。そして他にはビュフェ式の点心やデザートなども用意されていた。




紅茶を味わいながら、彼氏と旅行中の思い出話が弾む。

ラッフルズホテルをあとにして、彼氏は疲れが出たのか体調を崩した。すぐにコンラッドへ戻り、彼氏はベッドで休むことにした。僕もプーケットで体調を崩した。アジアの旅はもっとのんびりと旅程をくむ方が良いのかもしれない。

彼氏が休む支度をしている間、僕は部屋を抜け出し、ロビー内のショップをうろついた。捜し物は……あった。部屋に置かれていたものと同じベア。僕一人が旅の思い出を持ち帰るんじゃさびしい。彼氏にもベアを連れて帰ってもらいたいと思ったから。支払いをするときにキャッシャーの女性の英語がよく聞き取れなかった。旅行中は彼氏に頼っていたからなあ…サバイバル力低下はちょっと気になるところだ。

彼氏がベッドで休んでいる間、僕はNHKスペシャルで「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」を見ていた。コンラッドの部屋に備え付けられていたのはソニーのTVだったが、これがいつかサムスンやらLGに取って代わられる日も来るのかもしれない。そうならないように何をすべきなのか。海外に出ると、僕は普段よりも自分が日本人であることを意識する。きっと多くの日本人がそうではないかと思うんだが。

カーテンの隙間からシンガポールの街並みを見下ろした。ロータリーを通過してゆく車の数はまばらで、オレンジ色の街灯が目に焼き付く。海外旅行の最終日は、いつもオレンジ色の街灯を眺めて終わるのだ。明日は早朝起床。22時過ぎにはベッドに潜り込んだ。

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