父親と帝国ホテルのバーで語らうってやつをやってみたかったんだが、残念。
日本で一番上高地帝国ホテルが好きだという母親は終始上機嫌で、僕にくっついてBar Hornのカウンターに腰掛けた。先客はなくて、僕らはバーテンダーと世間話をしながらカクテルを楽しむことにした。
ドライフルーツとセットになったお得なカクテルがあるというので、それにした。
山ぶんど(山ぶどうジュース)とシャンパンのカクテル。
上高地帝国ホテルの名物山ぶんどジュースをここで味わうことができた。
ドライフルーツをかじりながら、母親と取り留めのない話に盛り上がる。
もともと学生時代は山女(山ガールと言ってあげたほうが良いかな?)だったという母親は、都心の高級ホテルは居心地が悪いそうで、もちろん日比谷の帝国ホテルも落ち着かないという。上高地ならば窓の外は自然がいっぱいで、野生の猿が敷地を横切っていったり、透明な梓川を眺めているととても楽しくなってくるのだという。
それはよかった。
連れて行った人が喜んでくれるのが一番大切。
二杯目はオリジナルの「マウント穂高」を頼んでみた。
メレンゲのふわふわした口ざわりと、喉を焼くウォッカの熱さを楽しんだ。
僕らの他にもお客が入り始め、カウンターも賑やかになってきたので出ることにした。
部屋に戻ると、食事中にターンダウンが行われていた。
おやすみなさいのチョコレートが置いてある。
このチョコレートは、ビターで、ちょっとモソモソした食感。
長距離運転をしてきたとはいえ、21:00前に眠気は来ない。
1階のライブラリーに行くと、石塚真一の「岳」が16冊そろっていたので手に取ってみた。
山岳救助の物語なのだが、遭難者がバンバン死ぬ。
その舞台が見上げればそこにある穂高連峰というので、なんだか不思議な気分になった。
日が暮れてから雨が降ってきた。
屋根を叩く雨音は夜半を過ぎても続いた。
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