フランス旅行記(2015年) ニースを離れる前に

エズからバスに乗り、Vaubanのバスターミナルに戻ってくる。そこからトラムに乗り換えて市街中心部を目指す。Vaubanのトラム駅からの乗客にはワカモノたちが多く、たぶん10代の美少女らも結構乗ってくる。今回フランスで感じたのは、女性は美人が多い、男はいまいち……というか僕個人がラテンの髭オトコがあまりタイプじゃないこともあるが……、そしてショタは天使ばかりということだった。髭が生える前の男子は本当に美少年が多くて、とても目の保養だった。

は、さておき、Vaubanの駅を出発したトラムは、長い坂道を下って行く途中で突然停車する。どうしたんだろう?と彼氏とキョロキョロしていると、黒いポロシャツの男女が乗り込んできた。「あ、抜き打ち検査だ!」と彼氏が言う。欧州暮らしの彼氏は時々目にする光景なんだとか。検査は先頭車両から始まる。僕らのいる後方車両からは、スルッと逃げ出す現地人らしき人たちが数名。チケットを持っていないと罰金、チケットを持っていても打刻していないと罰金というシステムらしく、僕らの目の前で楽しそうにおしゃべりしていた美少女3人も係員につまみ出されていく。罰金は50Euroくらいだったか?

ホテルに戻り、一休みしたあと、ふたたびバスに乗りシャガール美術館を訪ねる。僕自身はシャガールはそれほど好きではないのだが、僕を社会人にしてくれた最初の上司がシャガールが好きだった。彼女自身がシャガールっぽい絵を描いていたことを思い出しながら館内をめぐる。聖書をモチーフにした連作なので、オーディオガイドが頼りとなる。シャガールは近くで見ると中学生の落書きのような絵なのだが、美術館の広さを生かして10m位離れて眺めると、カンバスから人物たちが浮き出て3D映像のように見えてくるから不思議だ。茶色っぽい、乾いた血のようなおどろおどろしい色彩の絵が、少し離れた場所から見るとなにか光を発しているかのような、不思議な調和を感じる。


庭園の美しいシャガール美術館を出てくると、だいぶ日が傾いていた。市街地へ戻るバスの車窓はオレンジ色に染め上げられ、やがて岬の向こうに太陽が隠れると、群青色の闇が迫ってくる。ネグレスコを眺めにプロムナード・デ・ザングレを散歩する。


土曜日の夜は人のひけが早いのだろうか?
続々と引き上げてくる海水浴客たちに混じって、僕らも晩ご飯にありつくために街に流されて行く。

ニース最後の晩ご飯は旧市街地ではなくて、フランス通りに連なっているレストランに入った。ここで食べたニース風サラダは、ツナとドレッシングの相性が良くて、とても美味だった。彼氏は念願のフィッシュスープを頼む。こちらは独特の癖がある感じ。メインはそれぞれ別のものを頼んだが、僕はケバブっぽい肉の串焼き。これがわりと失敗で、肉に下味をつけるか、香料を振ってあることを期待していたら、パサパサのただの肉。ビジュアルはインパクトあったんだけどなあ。


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