海辺の町へ

今年は3月、4月と忙しくて、桜をしっかり見ることもなく過ごしてしまった。
肝心の週末に雨が降ったりしたせいもある。

仕事で移動中に、街路樹の桜をiPhoneで撮影したくらい。


先週末は彼氏が来日していて、天気が良ければ新倉山浅間神社へ行こうと誘っていた。
だけどあいにくの雨。
行きつけのワインバーで飲んだ後、夜桜をパシャッと撮影。


咳喘息の薬を飲んでから体調がイマイチの週末だった。
1軒目のレストランで食事した後、ワインバー向かう新宿通りで、僕は貧血を起こした。
あの感覚は嫌だね。
急に耳に「キーン」というノイズが混じり、視界がゆっくりと狭くなってゆく。
道端で少し休んで、再び歩き出したところで一旦ブラックアウト。
崩れ落ちはしなかったが、視界は完全になくなっててさ。
肩を貸してくれた彼氏によると「虚ろな表情で、やばいと思った」そうだ。
当の本人は「死ぬときは、こんな感じで終わるんだろうなあ」とか考えていたんだが。

翌日はブランチにお蕎麦を食べ、午後はベッドでグダグダして過ごした。
前夜が前夜だったぶん、なんか無理が効かない感じ。


ここのお蕎麦は分量がパーフェクト。見事に腹7分目で調子がいい。

週明け、僕は海辺の町へ向かって移動していた。
小腹が空いていたので、東京駅で評判になっている駅弁を買ってみた。
写真で見たときは結構でかいサイズの穴子寿司かと思いきや、思い切り姫寿司だった。
本格的な食事には足りなさそう。
だけど、ビールのつまみなんかにしたらとても幸せになるだろう。
電車の出発とともに、ふわっとした穴子をつまんで色々と物思いにふける。


「わかしお」に揺られて、ひたすら南下する。
舞浜を過ぎて、南船橋あたりで眠りに落ちた。
次に目覚めたのは上総一ノ宮付近。
あたりはすっかり闇に包まれていて、山の稜線がわずかに紫色に色づいていた。
人家もまばらな田舎を、たぶん羽田空港を離陸したばかりの飛行機が低く飛んでいる。
あの稜線の向こう側は東京湾で、それほど遠くない場所に都会があるはずなのに、自分は田舎を突き進んでいる。
文明から取り残されてゆくような、なんだか不思議な心細さを感じた。

滞在先のホテルはやたらに広い部屋がアサインされて、びっくりしたけれど楽だった。
4人で使える部屋を独り占めだからね。
畳の上がり框で足を伸ばし、少しストレッチ。


カーテンの外は車のまばらな駅前ロータリーで、なぜか制服姿の高校生がたむろってる。
バスを待っているのか?それとも家人の迎えを待っているのだろうか?

ホテルに併設されているレストランで、一押し名物の天丼を食べて見た。
これが結構ヘビーで、夜半、すこしお腹が重かった。
旅先で体調に不安を覚えるのは嫌な感じだよなあ。


無理しちゃいけない、無理をさせちゃいけない。
あらためてそう思った。

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