夏を予感させる名曲を耳にするにはまだ早すぎるような気もするけれど、今日はそんな気分で爽やか系(?)のBL漫画レビュー。
イケメン配達員×コミュ障オタクのお届けLOVE!!
深谷泉(ふかやいずみ)、27歳独身。
趣味はネトゲとフィギュア集め、買い物は99%通販生活のインドア派。
そんな深谷の今一番の楽しみはーー。
イケメン配達員・二十八(つちや)さん!!
逞しく男らしい身体に、爽やかスマイルが今日も眩しい★
彼との玄関先の逢瀬のために、毎日のようにオタグッズを通販する日々だ。
これは断じて恋ではない……。
ヒーローやかっこいいものに憧れる少年心なのだ!
自分に言い聞かせていたけれど…!?
お、おう……
あらすじからしてなんか拗らせてるなぁ。。。
もうあらすじが全てを語り尽くしているのだが……。
甘ったるめのフェイスが特徴の、配達員二十八涼太(27歳)。
いつも爽やかスマイルで、お荷物をお客様にお届け中。
インドア・コミュ障の深谷泉にとって、イケメンは「くそ!イケメンは滅びたほうがいい!俺のように嫉妬や憧れで病む者もいるだろう」という対象。だけど「美男子ともなると同性ですらドキドキさせることができるんだな」と思ったりもする。
フィギュアとPCの詰まった部屋に戻って深谷は落ち込む。
「二十八さんを見て胸が高まるのは、俺にないものを山ほど持っているからだ。」
高身長(184cm)、張り詰めた大胸筋、キュッとしまった腰……「かっこいいもの」好きの深谷がやったことといえば……毎日毎日通販の荷物をお届けさせることだった。
あー、こういうお金でなにかを解決しようというのは良くないねぇ。
最近は働きすぎで疲労困憊のクロネコさんなら「毎日来させるんじゃねぇ」とか思っちゃうかもなあ。
と言っても、イケメン配達員さんと仲良くなる方法なんて、僕にもさっぱりわからないが。
イケメンは汗を拭う姿だけでも様になりますね。
深谷はどんどん妄想し、どんどん拗らせてしまう。
「俺にはよくわからんが、フットサルやらサーフィンやら。モテ男御用達のスポーツでもやっているんだろう。なんて爽やかな……」
ある日、24インチワイドモニターを部屋まで届けてくれようとする二十八を、深谷は引きとめてしまう。
漫画、PC、フィギュアが溢れている部屋を見せられない、(恥ずかしい)と思ったから。
これねぇ……コミュ障の人に限った話ではないと思うところがあるんだ。
いやさあ、フィギュア集め、ゲーム廃人、漫画に埋もれた部屋で暮らしていることが恥ずかしいかどうかは、その人の価値観だと思う。価値観は人それぞれだから、俺には恥ずるところ一片もなし、と言い切ることはできる。と言っても、その価値観で周囲の人とうまくやっていけるかどうかは、また別の話ではあるんだよな。
「ゲイ」「同性愛」も同じで、「ゲイの我が生涯に一片の悔いなし」と言い切る人もいなくはないけれど、多くの人は「秘密」を抱えて生きているのが現状だと思う。それを恥ずることではない、臆病な生き方を止めろとカミングアウトを強く勧めるアクティビストもいるけれど、あれはあれで微妙な人たちであることも事実で。自己肯定がなかなか難しいんだ。
抱えている秘密を「恥」だと思ってしまうと、強く生きれなくなってしまう。
引っ込み思案になることがイジメを誘発したり、色々と妄想を拗らせて、さらに色々と問題を呼び寄せる。
あー、難しい。
好きなことを諦めろと言いたくない。
「他人受け」することばかりに流されて、疲れてしまう必要もないんだよ、と言ってあげたい。
だけど、趣味を同じくする人と付き合えるならばともかく、別の世界で生きている人と付き合うためには、自分の「お楽しみ」を少し我慢しなければならないこともある。新しい世界へ向かうアンディと、おもちゃのウッディがお別れしたように、切ない別れ、卒業を迎えることもあるかもしれない。別の世界へ出てゆくことは一つの選択だし、そのまま留まることも一つの選択には違いない。だけど、不安と、知識不足に怯えながらも、新しい世界へ出てゆくことは気持ちの良いことだと、それだけは間違いないと僕は思うのだ。
イケメンの二十八クンがイケメンなのは顔とスタイルだけじゃなくて、相手を肯定してあげれるところなんだ。
「周りの評価はわかんないですけど、自分のしたいことだけ全力でやってますね。それって、かっこ悪いことなんでしょーか?変わろうとしてがんばる深谷さんは超かっこいいですよ。感動しました」
こんな風に肯定してくれる人に出会えたら、幸せの光が差し込んで来たような気持ちになるだろうなあ。
「拗らせる」ということは、考えすぎて動けなくなるということ。
「二十八さんにもっと自分が知られてしまうのが本当は死ぬほどこわい。だけど、二十八さんのきらきらした世界に俺も連れて行ってほしい」と望む深谷だが、実は二十八はそれほどきらきらした世界で暮らしているわけじゃなかった。「想像と違ったの」と振られることが多かった二十八。二十八とって「それは俺の外見から相手が勝手に想像したものであって、俺は生まれた時からずっと『俺』なのに」というのが悩みだったのだ。
深谷が気づいたのは、シンプルな原則だった。
「俺は二十八さんのことたくさん想像してた。そもそも二十八さんは想像してないんだ。だから俺にがっかりしないんだ」
これね。
幸せになるための大事なことなんだよ。
ありのままの相手を受け入れること。
で、めでたく両想いになった二人。
二十八涼太は脱げば細マッチョの肉体派で……。
あら、ステキ!
1.絵柄
猫目男子でわりと好きだ。
表紙は作品の顔というが、メガネの深谷は置いておいて、二十八さんの胸板アピールがおいしすぎる。
2.ストーリー
女性漫画?の「5時から9時まで From Five to Nine」のアーサー、モモエカップルだよなぁとか感じつつ読了。拗らせたほうがグルグル悩んでいる様がかわいいというのが腐女子のお好みなのかなあ。僕は二十八さんの爽やかさに引っ張られましたけど。
3.エロ度
肉体労働27歳のボディはすんげぇぞ。
4.まとめ
佳作というレベルなのだけど、シンプルなストーリー立てと、絵の綺麗さがいい塩梅かな。
こういうほんわか系は、時々読み返したくなるよね。
絵柄 :★★★★☆
ストーリー:★★★☆☆
エロ度 :★★★☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)
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