日曜の朝

朝、普段より遅い時間に目を覚ました。
高層階の窓から見える日曜日の街は、普段よりものんびりしている。
サミットが終わって、街からピリピリとした緊張感が去ったからかもしれない。

隣で彼氏が微睡んでいる。
TVをつけて、原爆ドームを背にしたオバマ演説に聴き入る。
後世、歴史書に記載されるであろう瞬間を目撃している気がした。
オバマにそれを実現する力はないかもしれない。
だが、スピーチの内容は彼の誠実さだと思った。
感動でうるっとした。

明るい日差しが差し込んでくる大きなベッドで、彼氏とゴロゴロする。

シャワーを浴び、身支度を調え、カフェに行くため部屋を出る。
アイスコーヒーを飲みながら、スーツケースを引っ張ってホテルを出て行くお客を眺める。
あと2時間経ったら、彼氏は欧州に向かって出発する。
あと1時間経ったら、一足先に僕はここを出て行く。
お互いに時間を意識しながら二人で話すのは、前夜飲んだワインのことだったりする。

ワインバーで隣り合わせた客が、飛行機ファンだった。
その時彼氏が受けていた質問は、僕らがつきあい始めて2年の間に僕が根掘り葉掘り聞いた内容だった。アルコールでボーッとしながらその様子を眺めていると、「二人とも仲が良いですね」と褒められたので、軽くいちゃついてみせた。

最近、彼氏の頭を(^_^)ノ""""ヨシヨシと撫でることが増えた。
オトナになると、だんだんよしよししてくれる人がいなくなってしまう。
それは人としてさみしいことだから、僕は彼氏をよしよしすることにしてる。
なにかが伝わるような気がするのだよね。

昨夜の喧騒を思い出しながら、グラスの中の氷をクルクルと回した。
外出先の中途半端な待ち時間は、非日常な気分がして僕は好きだ。

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