"熱の湯"のチケット売り場には長い行列ができていて、それはバス停の前まで伸びている。こんな行列ができていて、果たしてショーを見ることができるのかしらん、と二人ともやや不安。だがしかし、観客でぎゅうぎゅう詰めになった会場は、まあ、なんとかなるものだ。妙齢のおばさまたちが登場して、拍子木を合図に湯もみショースタート。
こんなぬるいかき混ぜ方でお湯の温度は下がるものなのかいな?と僕と彼氏はささやきあっていた。お客さんによる湯もみ体験が終わり、踊りが披露されて、後半戦に突入。
今度は遠慮なくバッシャバッシャと激しくお湯がかき混ぜられる。観客にどよめきが走る。激しく立ち上る湯気、お風呂の縁を超えた湯が揉み手の足元を濡らす。やっぱりこれくらいしないと温度は下がらないだろうよ。後半の激しい湯もみアクションで結構満足。
"熱の湯"を出たあと、西の河原公園を探検に行く。
お土産屋を冷やかしている観光客たちで混雑している西の河原通りを歩く。
ここは「所謂温泉街」って感じの通りで、夏ならば浴衣を着た善男善女であふれかえっているのだろう。なんだろう、僕はふと、モンサンミッシェルの激しく混雑するメインストリートを思い出しながら歩いていた。
広大な"西の河原公園"。
雪が所々残っていて、歩道もアイスバーンになっている箇所がある。
彼氏ともどもソロソロと慎重に歩く。
途中でお湯に手を浸してみる。
立ち上る湯気ほどには熱いという印象はなかった。
西の河原公園の一番奥には、巨大な公共浴場がある。
結構いい風呂なんだそうだ。
僕らはホテルに戻り、大浴場でお湯に浸かった。
西の河原から引かれた源泉掛け流しのお湯。
すぐにぬめりが出て、肌がすべすべになった。
内湯は熱めのお湯と温めのお湯の二種類があった。
どちらも試したけれど、やはりリラックスするには温めが良い。
温泉に入ったあとは、ご飯とお酒。
温泉旅館のご飯を食べながら、CHEVALIER-MONTRACHET (シュヴァリエ・モンラッシェ)を口に含む。普段はかっぱかっぱとグラスを重ねる彼氏も、今日はややスローペース。シュヴァリエ・モンラッシェは、少し時間をおいて温度が高くなると濃厚なヴァニラの香りを漂わせる。グラスに口をつけると、まるでハーゲンダッツのヴァニラアイスに鼻を突っ込んでいるようだった。
僕はすっかり酔っ払ってグダグダになっていたのだけれど、彼氏は一生懸命シュヴァリエ・モンラッシェのエチケットを剥がしていた。今日の記念のために。作業している彼の姿を眺めていて、本当にかわいらしい人と思った。
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