彼氏の誕生日(1)

恒例の彼氏の誕生日を一緒に過ごす日。
自宅から出発する僕と、空路上京する彼氏は、現地集合することにしていた。

僕は早めに新宿に入り、西新宿をふらふらと歩いていた。
雲一つない冬の青空を、高層ビルが切り取っている。
今でこそ高層ビルは珍しくないけれど、都市計画に沿って建てられている場所もあまりなくて、整然と敷かれた歩道を歩きながら、頬に感じる冷たい冬の空気が気持ちが良かった。




「もうすぐ南口に着きます」という彼氏のメールが着信して、僕は彼を迎えに行く。新宿南口の人混みの中でも、彼を見つけるのは簡単なこと。いつものように旅慣れた服装で、彼は冬の乾いた陽光を浴びて立っていた。

新宿西口の中華飯店で昼ご飯を食べたあと、僕たちはホテルにチェックインした。まだ部屋には通してもらえなかったのでフロントに荷物を預け、目の前にそびえ立つ都庁の展望台へ遊びに行った。生まれてこの方ずっと関東で暮らしているけれど、僕は都庁展望台に上るのは初の経験だった。

高いところから眼下に広がる東京の街を見下ろすのは、とても不思議な気分だった。東京スカイツリー、明治神宮の森、東京都西部に一面広がる家々と、そしてその先に連なる丹沢山地。それらを一望できる。











特筆すべきは、都庁北展望台、南展望台それぞれにあるお土産屋がおもしろい。伝統工芸品からアニメ系まで揃っている。浅草寺門前ではカバーしきれないお土産が色々と売られていて、外国人のお客さんを案内すればきっと喜ばれるにちがいない。

新しい発見にホクホクしながら、僕たちは都庁をあとにした。

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