新海誠監督作品「君の名は。」は、良かった。

シン・ゴジラとならび、今夏もっとも話題になった作品「君の名は。」。
朝7時の時点で、都心の映画館は最終回までチケットソールドアウト状態。
東京の端っこの映画館で見てきましたよ。

僕は新海誠作品をそれほど見ていなくって。
「秒速5センチメートル」、「雲のむこう、約束の場所」、「言の葉の庭」の3作品のみ。

桜の舞い散る美しい画面に息を飲んだ「秒速5センチメートル」の主人公、遠野貴樹と篠原明里の物語は、鬱エンディングだった。遠野貴樹は初恋の女の子との縁を、何が何でも繋ぎとめようとしなかった。時間とともにお互い疎遠になって終わってしまう。

「君の名は。」の立花瀧と宮水三葉は、お互い絶対に逢いたいと願い、最後まで諦めないのだよね。そこが新海監督の心境の変化なのかなあと思った。

ストーリーは男女入れ替わりものという、少女漫画を読んできた僕からすればありふれたもの。

だけどまあ、とにかく美麗な絵作りなこと。
カナレットの描くヴェネッツィアのように、日本の日常風景がなんと祝祭的な美しさで描かれていることか。
朝の通勤電車、新宿の周辺、四谷駅前……先週長野県に行ってきたので、山岳地帯の風景とか、自分が実際に目にしているけれど、年に数回しか見ることのできない、神様に祝福されているかのような美しい光景が連続していて、ため息が出る。「アニメと実際の日本は別物だった。がっかりした」と嘆く外国人がいるが、わからないでもないなあ。アニメの中の光景は実在し得るんだけど、特に新海誠作品に描かれる風景は年に数回しかないようなベストショットだからさ。

で、アニメの中ではそんな美しいベストショットをつなげて日本の日常生活を描くってこと自体が、日本文明以外の世界に対してものすごいPRになっているんだろう。そういう意味で、かつてのハリウッド映画がアメリカンライフの伝道ツールだったように、日本人のライフスタイルのカタログ?ショーウィンドー?みたいになっているのだね。

「君の名は。」の美しさを楽しんできたら良いと思う。
宇宙戦艦だの、巨大ロボット兵器だので戦うアニメで育ったおっさんには、世界の救い方がだいぶ変わっていたけれど、素直に楽しめたよ。

もし女の子と身体が入れ替わったら?……ゲイの僕でもおっぱいは揉んでみるだろうな、きっと(w

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