不破慎理『YEBISUセレブリティーズ』……「YEBISU」「セレブリティーズ」はもはや死語。
死語の掛け合わせが猛烈な時代臭を漂わせる一品。
東京・恵比寿に事務所を構えるデザイン会社""Yebisu Graphics" -- そこは、顔も才能も超一流のオトコ達が集まるアッパークラスな恋の社交場。
バイトで入った藤波はるかは、強引なボス・大城崇に翻弄されつつ魅かれていく。
「デザインとは、無限の可能性。まるで彼らの恋そのもの。」という帯の下に、ちっちゃくこんなリード文がある。
彼らは恵比寿のセレブリティ、略してエビリティと呼ばれた--!!
やべぇ。
いろいろとやべぇ。
シロガネーゼ、ニコタマダムとか頭をよぎってしまった。
昔はこういう地名をつけたセルフプロデュースみたいのが流行ったよな。
なんだったんだろうね。
Oh!
懐かしいなあ、こういう絵柄。
いまだとアラブものに若干棲息しているくらいか。
日本人はがっしり顎、割れたケツ顎が苦手だからねぇ。
エビリティの頭、大城さんが格好良くてねぇ~。
バイトくんにスーツ買ってあげたり、カレー喰いにジャガーを青山まで走らせたり、一貫性のないクライアント切っちゃうし~。
そしてバイトの藤波はるかにこう言ってのける。
や、こういう上司に出会えた人は幸せだろうね。
ただ、BLマンガ目線でいうと、やっぱりこの関係は完全に少女マンガだと思うのだよね。何者でもなかったバイトの若者に、職を与え、服を与え、仕事を教え、愛を与え……こう言うのをシンデレラと王子様とでも言うのだろうか。もちろん藤波はるかなりの魅力、個性はあるのだけれど、やっぱり大城に「引っ張り上げられた」感は否めないんだな。
腐女子の言う「対等な関係性」というのは、もう少し後に出てくるのか……。
僕は喜多村慧×笹生アキラ編がお気に入り。
脇役キャラに注目してしまうタイプなのだ。
1.絵柄
古い人間が馴染んでいる「ボーイズラブ」は、こういう系の絵柄だと思う。
おしゃれな場所、おしゃれな職業、おしゃれな人間関係、だがスーツはシングル3つボタンに時代を感じる。
2.ストーリー
群像劇だから、大城×藤波編で言えば、シンデレラストーリーだなと思う。
才能以外なにも持っていない人間が、すべてを持っている圧倒的な人間に引き上げられるストーリーと言ったら残酷か。
ほかにはアートディレクターと外科医のカップルなど。
キラキラしているなあ。
そーいや、クライアントが全部横文字なのはなぜだ??
3.エロ度
ちんこの描写がないのは、不破慎理が奥ゆかしいせいか??
4.まとめ
2004年当時、BLマンガがシリーズ化することは珍しかった時代。
YEBISセレブリティーズは燦然と輝いていた。
そして、いまもあまり変わらない不破慎理の絵柄に安心して良いのかどうか……。
不破慎理「YEBISUセレブリティーズ」(2004年コミックス化)
絵柄 :★★★☆☆
ストーリー :★★★☆☆
エロ度 :★★★☆☆
コレクターズアイテム度 :★★★☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)
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