仕事が終わった後、二丁目のゲイバーに顔を出す。
周年パーティには行かないので、お詫びを兼ねて一杯だけ飲んで退散。
最近、僕は女性客の騒ぎ声が苦痛になっている。
ここ数年、いや、10年近く、自分にとって居心地の良いゲイバーを探して彷徨ってた。
新宿二丁目以外では、新橋だの、上野だの。
なかなかしっくりくる店がなくて、たまにいい店だと思い通い始めても、半年、1年で店の雰囲気が変わってしまい、やっぱりちがうなと撤退を繰り返したり。
もちろん、店が悪いわけじゃない。
僕が店の雰囲気に合わないということだって結構あった。
こればかりはご縁みたいなものだ。
ゲイバーって、ゲイが集まっているバーと、ゲイが経営しているバーの、ざっくり言えば2種類ある。
最近は二丁目も経営が苦しいから、ビアンバーと女性向けの観光バーが急増している。
ビアンバーはさておき、女性も入店できる後者のmixバー系は正直苦手だ。
普段から女性が嫌いなわけじゃない。
ただ、アルコールで焼けた喉から大声を張り上げ、ゲイバーで騒ぐ女性全般にうんざりしている。
なぜ彼女らはオカマ相手にあんなにオヤジ化するんだろうと。
ゲイバーで騒いでいる客は、ホストクラブでの痴態とも違うのだよ。
いいゲイバーとはなんぞ?と議論したら、人それぞれ十人十色の意見が出てくるに違いない。
僕が出した結論は、ハコはセンスが良いに越したことはないが、清潔であればどうでもいい。
値段はぼったくりじゃなければ、どうでもいい。
店子がイケメンじゃなくても別にいい。
唯一最大のポイントは、客層。
いいお客が集まっている店は、だいたいハコ、店子、プライスともにいい感じだ。
先日彼氏を連れて行った某店は、今のところ僕の理想郷。
なんといっても客層がいい。
20代中盤から上はいくらでも上がっちゃうんだろうけど、30代中盤以下が60〜70%程度。
ワカモノ同士、あるいはカップル同士で来店すると、ついつい連れとしかおしゃべりしないのだけど、この店は一見さんでも隣の席の話題に混じって、すぐに知り合いになる。みんなが気さく。一つの話題でお客さん、店子がおしゃべりできるから楽しい。恋バナから、別れて同棲解消してきた話だの、ルームシェアの話、ダメ彼氏の悩み相談やら、ペットの話、芸能ネタ、仕事の愚痴 etc。社会人ゲイたちの日常生活をあっけらかんと酒の肴にして過ごす空気感が、とても心地よい。
入店は男性のみ。
カラオケなし。
自慢話と他人の悪口、説教は、なんとなくみんなが自粛しているような印象。
自慢話と他人の悪口はオカマの嗜み。
説教は古カマのごちそうなんだけど、結局店の空気を悪くする。
悪口で盛り上がる店は、自分が不在の時に悪口を言われている可能性が高いのだよな。
そういうのは嫌じゃん。
品の良い、綺麗にお酒が飲める人が集まる店は、きっといい店なんだと思う。
僕はその店がすっかり気に入ってしまっている。
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